中途半端な時間に中途半端に食べてしまったから、食べ直しも兼ねて「海華月・其の弐」に出かけた。
ここの良いところは、お任せ(2500円)で十分に腹一杯になって色々な味が楽しめる事。
カウンターで日本酒をなめながら肴が色々味わえるのは、献立を考えたくない時にはピッタリだ。
今日のお任せは、
鶏のささみ・枝豆 胡麻ソース和え
揚げ茄子・煮穴子
帆立・鯖・鯛の朧昆布のせ(ニンニク醤油)
紅梅ワイン風味
牛ヒレ・蒟蒻のソテー
山芋と甘エビのサラダ
穴子の天麩羅
蛸・鰺・いくらの姫寿司
魚そうめんのお澄まし
デザート
というラインナップだったが、それに真鯛(280円)と鰺(270円)の握りを追加し、
十四代(中取り:1200円/合)と酔鯨(900円/合)を一合ずついただいた。(4794円)
色々な想いを背負いすぎて疲れ切っていたから、少しばかりの贅沢がしたかった・・・とは言え、
カウンターでこれだけ食べて二合の吟醸酒を飲んで・・という事を考えれば、リーズナブルな範囲だと思う。
ここのシャリは、変わり寿司に合わせた酢が弱い物だから、
よっぽどネタが良くない時は普通の握りは薦められない。
それでも握りを食べたかったのは、その前に食べていたどうでもよい寿司のせいかもしれない。
やっぱり・・と言うか当然と言うか、シャリの弱さが物足りなさを感じさせるが、
他にそれだけ食べた後だと、まぁこれもアリ・・だと感じられた。
以前は、座る場所が無い位に混んでいたこの店も、最近は座れる状態に落ち着いている。
ソレは多分、この握りのアンバランスさや料理と値段とのバランスの悪さが影響しただろう・・
と想像できる程以前は強気で、しかも安定していない店だった。
その上、一番できる板前が新店舗の関係で異動したりしたからだろう・・・。
久々に訪れた時はその彼が居るにも関わらず、こっちにとっては居心地の良い店になっていたわけだ。
しかし、板前も考えたのだろう・・・
コストパフォーマンスの悪さが、狙っている層に対して悪影響している事を勘案し、
お任せコースを設定したわけだ。
そのお陰で、こっちも気楽に楽しめる店として、回遊先の一つに再登録できたわけだ(^_^;)
しかしこの店は私の望む酒が少ないので、2合飲んだら次に行く事にしている。
いつもはテクテクと反町まで歩いて、ロブロイに行くのだが、
最近は「ウルトラ・ヴォーノ」に寄るクセがついた。
バー「ウルトラ・ヴォーノ」
045-322-8171
横浜市神奈川区鶴屋町2-19 井上ビル3F
18:00〜(客が居るまで)
火曜定休
ここは、西口では珍しい程、モルトが揃っているバーだ。
20名も入ればいっぱいの店内には、カウンターとテーブルが揃っている。
マスターは明るい色のチョッキを着、ちょっと斜に構えた感じの接待をするが、
個人経営ならではのフレンドリーさも持ち合わせていて、居心地は悪くない。
アイラ系もハイランド系も充実しているが、
幅広く・というより狭く深く・・・といった揃え方がなされている。
(アドベックはスタンダードからロード・オブ・アイラまでと多彩)
スペシャルなボトルは黒板に書き込まれ、飲んだ事の無さそうな物ばかりが目についたりするが、
料金的には珍しい物でも1500円〜2500円程度の値段設定がなされていた。
嬉しいのは、この店でもシガーが吸える事。
モルト&シガーが楽しめる・・とあって、同じ銘柄で色々と違う物が楽しめるのなら、
これだけが飲みたい・・・と思う日にはピッタリの店となる。
モルトが多い店のわりには客層が広く、カップルはカクテルなんかを飲んでいたりするから、
店的にはモルトオンリー・・のつもりは無いのだろう。
マスターのシェーカーの振り方は珍しい3モーション。
この日は、ボストンシェーカーも使っていた。
カサブランカの山本氏の振るボストンシェーカーに慣れていたせいか、
3モーションでのボストンシェーカーは少しばかり違和感を感じた。
行きつけの店は居心地が良く、痒いところに手が届くようなサービスがある。
あまり顔を出さない店は、全てが新鮮で新しい出会いが多く期待できる。
それは決まったコースで速く走ろうとする事と、初めて通るコースを速く走ろうとする違いに似ている。
便利だから・・・、楽だから・・・と、ここのところ常連客として迎えてくれる店ばかり通っていた。
それは、私にとってはある意味怠慢・・・
ある意味「逃げ」である・・
そうと知っていても、日々の忙しさを理由に後ろ向きになっていたらしい。
人も味も風景も、全ては一期一会だと知っていて、
その事を忘れて無駄に時間を費やしてしまった・・・・。
その事が、もの凄く勿体ない事だと、
叔父の死に際して強く、とても強く感じられた。
最近、見知らぬ地を走っていないな・・・という事は、例えばこんな瞬間にも気づくもの。
慣れる事は、必ずしも良くは無い・・・という事も。
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