暖かいご飯にバターをのせる「バターご飯」
醤油をかけただけの「しょうゆご飯」
ちょっと贅沢に鰹節を加えた「猫まんま」
そんな食事がスタンダードだった時代では、
「カレーライス」や「ハンバーグ」などはとてつもないご馳走となる。
だから、ハンバーグの中身が牛じゃなくても、
パン粉とタマネギやキャベツで水増ししてあっても、
たっぷりケチャップをかけて食べられれば、凄く幸せだった。
初めて外食で食べた「ハンバーグ」は、タマネギが入ってなくてがっかりし、
牛肉100%のパティの味が物足りなく感じてしまう。
(牛肉の味に慣れてないだけじゃなく、
肉だけのハンバーグをシッカリ焼くだけだから
パサパサした固い食感になってしまうのだろう)
滅多にできない外食なのに、子供があまり喜ばない事を親は理解できず、
「二度と連れて来ない」と怒りを露わにするも、
「お母さんのハンバーグが一番美味しい・・」という無意識のお世辞に気を良くしたりした。
(勿論こっちとしては、またすぐ「ハンバーグ」が食える・・という計算もあったのだが)
レストランで出る「ハンバーグ」には大概「目玉焼」きがのっている。
目玉焼きをハンバーグの上で切って、半熟の黄身を絡めながらハンバーグを食べるためだ。
自宅では「目玉焼き」もりっぱなオカズなので、そうやって食べる概念は無かった。
だからその食べ方と円やかさを知ってからは、ハンバーグに目玉焼きは必然となる。
ハワイの郷土料理に「ロコモコ」という物がある。
丼に御飯を入れ、その上にハンバーグをのせ、グレービーソースをかけたもの。
勿論、目玉焼きものっている。
これが、私にとっての理想的なハンバーグ料理であったりする。
(贅沢を言えば、ケチャップも少しかけたいところだ・・が)
ハワイは日系人が多く、彼等の文化の中には多くの日本文化の影響がある。
アロハシャツは着物の生地を現地向けにアレンジした物だし、
ロコモコ等の丼飯も、日本食を現地向けにアレンジした物なのだ。
だが、それら(特に食文化は)はあまりにチープなため、
あまり日本には伝わって来なかった。
当然私が「ロコモコ」に出会ったのも、そんなに前の事ではない。
関内には「羅針盤」というハワイ料理店があり、
元町の「onoPUPU」のランチには「ロコモコ」がある。
(ただし「onoPUPU」では、ハンバーグは狂牛病以来出してくれない(;_;))
じゃぁ、横浜駅近辺で「ロコモコ」が食べられないか・・と探していたら、
「Hula Hula」という店を見つけた。
Fusion Bistoro&Bar
「Hula Hula」
045-324-6063
看板にはハイビスカスの絵が描かれて、もうハワイの雰囲気バリバリの店である。
店前にはオープンテラス風の造りがあって、今のシーズンにはピッタリなのだ。
で、「ロコモコ〜♪」という気分で飛び込んでみた・・・・
30人位は入れる感じの広さに、素朴な感じの木の机と調度が上手くセットされ、
落ち着いた雰囲気を感じさせるが・・・
アレ???
「ロコモコ」が無い・・・・
メニューを見て、首を捻った。
ディスプレイにはハワイ風の物があしらわれ、どう見てもハワイ風なのに、
メニューにはフランス風とイタリア風の物が並んでいる。
こういった場合は、店が勧めるコースを頼んでみるしかない・・・
という事で1500円のちょっとずつ色々な物が楽しめる物をオーダーしてみた。
パン+チキンパテ
キッシュ
ピッツァ
サラダ
パスタ(マグロと甘エビのガーリックソース)
黒豚の串焼き
リゾット
チーズ
これの何処がハワイ風なんだ?
と怒る気も起きなかった。
この店は、見てくれだけはハワイ風だが、料理は南仏風なのだ。
味はまぁまぁだが、食べたい物が食べられない不満が残って、気分は収まらない。
量は値段の割には多い方だと思うが、あまりのギャップに満足度は低くなってしまった。
店の人に尋ねてみると、ハワイが好きで店をハワイ風にしたらしい・・・
何だよ・・それ・・・
紛らわしいじゃんか・・・
ハンバーグライスを食べたかったのに・・・・(;_;)
店がマトモでも、望む物が食べられないと、満足度は下がるモノらしい。
何だかがっかりしてしまった夜だった。
誰か、これは・・・というロコモコ食べさせる店、知りませんか?
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