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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

パッカーズ・ゲート

学生の頃、喫茶店をやってみたい・・と思った事がある。

学祭の模擬店を仲間とやった事があったが、その時の経費率の低さが魅力的であった事と、
なんとなく就職して人に使われるのが嫌だ・・という気持がごちゃ混ぜになったのだと思う。

しかし、当然の如く店を開く資金も勇気も無く、世界が狭くなる恐怖にもうち勝てずに断念したのは、
単なる若者の無鉄砲さに自分自身で×を出したからに他ならない。


「パッカーズゲート」
 045-311-2231
 横浜市神奈川区松本町1-3
 月〜木 19:00〜26:30
 金・土 18:00〜29:00
 日曜定休

この店、噂では学生達が頑張ってやっている・・・という事らしい。

そんな噂を聞けば、
自分がその年齢の時できなかった事をやっている姿を、
覗いてみたくなるってもの。

で、東屋が中止になった事もあって、プラッと出かけてみた。
 

モロ・・・手作り。

そんな感じの店内に、アジアンテイストのテーブルクロス等をあしらい、
天井には藤棚のような装飾が施されている。

そして、客層は思いっ切り若者ばかりで、BGMもJ-POP一辺倒。

しかし、何だかほのぼのとした空気があって、居心地の悪さは感じなかった。


ミートたっぷりミートソースボロネーゼ
沖縄風パスタチャンプルー
Japanese蕎麦飯
Mexicanジャンバラヤ
南米の島Tacoライス
PGコーラル大根サラダ(無人島チャーメン入り)
モテモテポテトサラダ
ゴーヤゴヤ(*^_^*)チャンプルー
パイレーツオニオンリング
Mexico人タコス


といった、所謂若者が考えそうなネーミングのメニューを眺めながら、
この間から頭の中を巡っているタコライスとオニオンリングをオーダーした。

飲み物は勿論、生ビール(ミラー:600円)だ。

最初に出たビールは、ハッキリ言って温い。
次に出てきたオニオンリング(550円)は、何処にオニオンがあるんだよ〜?と言いたくなるような代物。
(冷食だな・・・と)

やっぱり学生ノリかな・・・と少しだけ後悔しつつ、空きっ腹にぶち込むタコライス(700円)を待った。

オ〜っと・・・
これはケッコウなボリュームだ・・・

25センチ級の平皿にいっぱい、すでに混ぜられた状態のタコライスが出てきた。
(好みで・・とマヨネーズを添えてくれる)

で、食べてみたら、意外に美味いゾ・・・・(^_^)

こうなると現金な私は、
ガツガツとタコライスを食べながらビールを飲み干してしまった。


さて・・次の飲物に移ろう・・とメニューを見たが、ウィスキーの類は載ってない。
店員に「ウィスキーは何がある〜?」と尋ねると、すかさずウィスキーメニューを持ってきた・・・・

お〜い
これはいくらなんでもマズイだろ・・・?

グランフィデェックにグレンリヘット・・・・・・
と、明かな間違いがソコに記されている。

で、アベラワー10年(900円)をオーダーしながらちょっとだけ注意してみた。
いくら何でも、これは恥ずかしいよ・・・と。


ストレートでオーダーしたアベラワーは、
何も言わないのにちゃんとロックグラスに入れて持ってきた。

それだけでも、私にしては合格点をあげたいところだが、
間抜けなメニュー表記があったりとバランスが取れていないあたりが、苦笑を誘う。

まぁ、走り出したばかりの学生達の店・・といったところで、モルトを楽しむ事にした。
(こういった店に、マッカランやアベラワー、アラン等があるだけでも贅沢(^_^;))

いずれにしろ、怒る気持にはならないで楽しく飲めて、
しかも一人では食べきれない量のフードに、充分満足できた。


6人のスタッフが頑張っているこの店は、
きっと彼等の夢の形のひとつなのだろう。

そしてこんな店に出会うと、こっちとしては嫌味にならない程度に教育したくなる。
また、そう思わせる気持ちよさがあるからこそ、これでもそれなりに客が入っているのだろう・・・
と、満腹の腹をさすりながら勘定を払いにいった。


「先ほどのご指摘、ありがとうございます。
 ちゃんと調べて書き直します。」


店長とおぼしき若者が、ちゃんと頭を下げてそう言った。
こっちが、勘定・・・と言う前に・・・

金髪のドレッドに近い髪型の彼は、見てくれこそ今時の若者だが、
実にしっかりとした顔つきと態度で気持よい。

何だか、忘れてしまいそうになる情熱のような物を感じて、少しだけ眩しく見えた。


店の外に出ると、他のスタッフ達が外にたむろっていたのだが、
全員が揃って「ありがとうございます」とお辞儀をする。

運動部ノリではないしっかりとした言葉遣いが、
一見の客にも心地よく感じられる。


行く先の見えない不景気の今に、
何の保証も無い仕事を立ち上げる勇気は若さ故の賜物だろうが、
その勇気と思い切りの良さをいつの間にか忘れている事に気づかされる。


ありがとう
若者達

君達の元気に触れて、
少しだけ元気になれました

ごちそうさま

 
 
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