沖縄地方では、名産品に「島」という字をつける・・・と聞いた。
「島とうがらし」「島こしょう」「島らっきょう」「島豆腐」「島バナナ」・・・
それはここら辺には無いちょっと変わった物ばかりだが、どれも独特な味があって美味しいもの。
「島とうがらし」は「クース」とか「コーレグース」とか言われる調味料の中に入っている唐辛子であり
その調味料の名前としても扱われる事もある、沖縄料理には必要不可欠のもの。
唐辛子を泡盛で漬けた物で、沖縄風タバスコ・・と言ったところだが、「島こしょう」になると
例えようが無い香りに説明不能となってしまう。
(ピパーチとかピパーズとかピーヤーシとも呼ばれる。ヒハツモドキの種を擂り潰した物。)
これは石垣島に行った時必ず食べる八重山ソバには絶対必要だと、思っている。
今でも「らっきょう」は好きじゃない。
カレーと一緒に食べれば食べられるが、無理して食べたい・・なんて思わない。
しかし「島らっきょう」だけは別。
「らっきょう」というより「エシャレット」に近い・・と言えば解りやすいか・・
漬け物も所謂酢漬けではなく塩漬け(一夜漬け)にする物らしく、
嫌いな酸味が無くて食べやすい。
シーズンは4〜6月位だと聞いているが、今年食べた物は痩せていて筋っぽかった。
「島らっきょう」は、天麩羅にして食べるのが一番好きだ。
海塩を皿に盛って、天麩羅をちょんちょんとつけて食べる。
柔らかさと素朴な旨味に加えて、天麩羅独特の油と衣の美味さが調和する。
今日は、そんな天麩羅をシゲと食べよう・・と約束していたが、都合で中止となった。
ただ、連絡して「生」があったらそれで天麩羅を作ってもらう約束だったから、
仕込みを無駄にしてはいけない・・とばかりに食べに行った。
「遙喰」
横浜市神奈川区松本町
店内は狭く、4人掛けのテーブル2つと2人掛けのテーブルは2つだけ。
沖縄民謡がいつも流れ、壁には所狭しと泡盛の瓶が並んでいる。
その品揃えはなかなかで、「泡波」なんて幻の泡盛まである(1合4000円だとか)
生憎「生」は無く、塩漬けの「島らっきょう」だけが待っていたが、
それを天麩羅にしても「生」と殆ど変わらない。
「ゴーヤの胡麻和え」
「島らっきょうの天麩羅」
「ゆしソバ」
ここでは泡盛「いりおもて」30%を一合飲むのが私の決まりだが、
例によって米系焼酎には耐性が無い。
で、一合飲んだら記憶が薄くなって気持ちよく寝る事ができるのだが、
この泡盛、何故だかとても美味しくて困ってしまう・・・・。
(という事で、いつもココで幾ら食ったかわからなくなっている(^_^;))
「ゆしソバ」は「島豆腐」(豆乳を海水で固めた物:ちょっと固い)を入れた汁物「ゆし豆腐」に
「沖縄ソバ」(ソバという名の饂飩に近い麺)を入れたこの店オリジナルメニューだが、
これに「島とうがらし」を入れて辛く泡盛っぽくして食べるのが病みつきになっている。
ただこの店は、特に暑い日は要注意。
店長の塩加減がどんどん若者向けになってしまうのだ(爆)
しかしそれは、メニューの選び方で避ける事はできる。
炒め物(チャンプルー系)は危ないが、「ゴーヤの胡麻和え」等は甘くて美味しい・・・とか(笑)
疲れがたまりやすい猛暑の頃、身体の内側から元気にしてくれるような食事をやはり南国の物か。
ゴーヤ(苦瓜)もウコン(ターメリック)も、何だか身体をリフレッシュしてくれるように感じる。
だから元気が無い時はいつもこの店に行こう・・と思うのだが、その量に躊躇して二の足を踏んでいる。
そして今日も、「ゆしソバ」ではなく「ゆし豆腐」にしておけばよかった・・と反省した。
どうしてこう、食い意地が先走るんだろう・・・・
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