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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

海華月 其の弐

頭の中に「タコス」飛び回り、久々に「エルトリート」へ行こうと・・いう気になって、
横浜駅方向に向かった。

しかし、歩いている途中で食べたい物は変化していく。

「ひさご亭」で焼き鳥もいいな・・・・
「ペッパーランチ」でチープな晩飯もいい・・・
「エラワン・タイ」でタイ料理もたまにはいいかも・・・
そういやハワイ料理専門店もあったな・・・

要は、腹が減って何でもいいから食べたくなっているわけだ。

じゃぁ、行った事の無いハワイ料理専門店で「ロコ・モコ」(ハンバーグ丼)を食べてやろう・・・
という事で鶴屋町に向かったが、目指す店は閉まっていた。
それも、もしかして店自体を閉めてしまったのか・・という雰囲気すら漂っている。

目指す物が食べられないとわかって、何だか考えるのが面倒になってきたが、
隣の「ペッパーランチ 横浜鶴屋町店」を覗くと若造が大勢カウンターを占領している。

頭の中に浮かんでいた味を消し去るのに同じハンバーグで・・と思ったが、
どうみても美味しく食べられる環境にないから(元々、大した味ではないけど好きな物はしかたない)
そこもパスする事にした。

やっぱり東口まで行って「エルトリート」かぁ・・と思うのだが、もう何でも良いから食べたい気分。
で、鶴屋町にある「海華月 其の弐」へ行く事にした。


海華月 其ノ弐

045-412-6883
横浜市神奈川区鶴屋町 3-29-11大和ビル1F
[月〜金]朝11:30〜昼2:00,昼5:00〜深夜0:00(フード LO夜11:00,ドリンクLO夜11:30)
[土日祝]昼5:00〜深夜0:00(フードLO夜11:00,ドリンクLO夜11:30)


ここはいわゆる若者向けの寿司バー(?)で、変化球ネタを食いたくなった時にたまに訪れていた店。
だが、「海華月 本店」に新しいセクションができた時、板長が代わってから味が荒れたのをキッカケに
パッタリ・・と顔を出さなくなっていた。(客層も嫌いだったって事もある)

しかし、今は何か食べたい。
できれば今までのイメージ外のもの=和食系がいい・・・
際物系の寿司ネタだったら、最近食べていないから満足できるだろう・・・


カウンター(16席)しかない店に入ると、先客はカップル1組だけ。
木曜の9時頃にこれじゃぁな・・・と思うが、入り口に近い店内が見渡せる角に陣取った。
(マンウォッチングには最適)


「どうも、ご無沙汰してます」


いきなり板長が挨拶する。

懐かしい顔だ。

何だ、帰ってきたんだ・・・・(^_^)

と挨拶を交わすが、こんな時は客としても嬉しいモノ。
目立つ格好をしている・・とは言え、いつも同じ場所に座る・・とは言え、
相当の期間、顔を出さなかったのに覚えていてくれたとは。


店が空いていて(手に余裕があるという事)板前がコッチを常連客的に扱ってくれる時は、
必ずその日にできる技を余す事無く使ってくれるのは経験上解っている。

こりゃ期待できるぞ・・・と喜びつつメニューを見ると、
前には無かった2500円のお任せコース(10品)がある。

こういう時は、間違いなく「お任せ」が一番良い。

任されると料理人は、予算を睨みつつ最大限の努力をする性がある。
そして料理人自身も考えて作る楽しみがある・・と山田屋の板長は言う。
だから「お任せ」が良いのだと・・・・


枝豆・絹さや・蟹肉 みぞれあえ
煮穴子
お造り 鯛・鮭・ホタテ 薄口醤油(紫蘇)
サラダ
牛ヒレのソテー(ゴマだれ)
梅 ワイン仕立て
白身魚の天ぷら ゆかり添え
姫寿司
お椀
デザート

生ビール一杯(650円)、酔鯨(吟醸:900円/合)3合を楽しみながら、
10品を摘むとかなりのボリュームになった。
(税・サービス料込み 6,757円)

以前感じた、アンバランスな味付けは姿を見せず、この店独特なフレンチテイストの和食が表れている。
そしてそれは、うまく調和のとれた美味しいモノとして、綺麗な流れを見せてくれた。

美味しい
素直にそう感じる。

贅沢なネタは使っていないが、うまくバランスされた美味しさがある。

以前よく摘んだ寿司は、トッピングする食材や調味料にあわせて酢を控えたシャリを使っていたから
余程良いネタが無い時以外は、腰の抜けたような味に感じられていた。

今でも、普通の握りを頼むと同じようなモノかもしれないが、
メニューは以前のように寿司ネタを全面に出した形を取らなくなっている。


それは、「寿司」というだけでありがたがる客が減ってきたからだ・・と推測できる。

何故なら、普通の寿司を食べたいなら、この店に来る必要は無いからだ。
客が減ったのは、新しいメニューを開発せずに営業を続け飽きられてしまった・・と思えるのだ。


店としては、離れてしまった客を取り戻したくて、このようなコースを考案したのだろう。
そしてそれは、間違いなく功を奏す・・と想像できる。

一度客が退いて、次にこのようなバランスの良いコースを楽しむ客が増えてくれば、
客層もまた好ましい方向へと変化していくはず。

勿論、私の好む方向へ・・・・


たまには、記憶のページを読み返し、こうやって前に行った店を訪れよう。
きっとまた、新しい出会いがあるはずだ。

 
 
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