ピザとの出会いが遅かった・・・と以前書いたが、
タコスやトルティーアと言ったメキシコ料理に出会ったのは、もっと遅かった。
それは自分で稼いで食べるようになってからの事で、
それもすぐ食べるなんて事はしなく、遠巻きにして眺めていたのだから笑ってしまう。
(食べなかった・・・と)
何故ならその頃 はとても大食いの体質を持っていたからで、
あんな薄い皮じゃ腹がいっぱいになんてならない・・と思い込んでいたのだ。
(蕎麦屋でカツ丼+もり蕎麦は当たり前)
ドンタコスやドリトスを食べていたからタコスの皮の味は想像できたが、
それでも収入の少ない若造の事。
サイドオーダーで食べられるほどの余裕は無く、
他人が食べる様を見て、その未知なる味を想像するだけ・・・だった。
未知なる味には興味が沸く。
食べられない理由が「サラリーの低さ」だからか悔しさばかりが膨れあがったが、
お腹の方はそんな事では膨れようもない。
だから、いつか食べてやる・・・と思いつつ、無視する事で切り抜けてきた。
本牧にマイカルができ、そこにメキシコ料理専門店が入った。
何かのキッカケでソコへ行った時、2種類のトルティーヤを勧められた。
トウモロコシの粉で作った物と小麦粉で作った物だったが、
どちらも揚げていない柔らかい物だと言う。
コッチとしてはあのタコスがどんな物かが気になっていたのだが、
タコスとはトルティーヤに何か挟んで食べる料理だと聞かされた。
(以前見ていた固そうな皮は何だったのか・・・・と思ったが・・)
それじゃ・・・と両タイプのトルティーヤをオーダーし、
メインはファヒータ1皿にしてタコスを楽しむ事にした。
トルティーヤは、暖かくて柔らかかった。
大好きなトウモロコシの味と少し粉っぽいボソボソした感触は、
ドリトスあたりの揚げられたトルティーヤとは別物の美味しさを与えてくれる。
小麦粉で作られたフラワートルティーヤは、
セブンイレブンで食べた「ブリトー」そっくりで、少しだけがっかりした。
店の人に尋ねると、トルティーヤを揚げて固くした皮に野菜などを挟むタコスもある・・と言う。
生のトルティーヤは暖かい内に食べるのが美味しいので、一枚一枚客に合わせて暖めて出すのだ・・とも。
(昔見たのは、既に揚げてあるキット物だろう・・と教えてくれた)
本格的なメキシコ料理を食べたのはその時が初めてだったが、
それ以来、好きな食べ物の一つとして食べたい物リストに載ったのは言うまでもない。
横浜のスカイビルが立て替えられた時、そこに全米No.1と言われるメキシカンレストランが入った。
「エルトリート」
045-450-1117
横浜市西区高島2-19-12 スカイビル28階
11:00〜23:30(FOOD:22:30、DRINK:23:00)無休
マイカルにあった店ほど上品では無いが、さすがはメキシコに近い国の店だ。
そのメニューは豊富で、ボリュームも半端ではない。
ナチョスもファヒータもケサディーヤもタコスも、誰がこんなに食べるんだ?
と尋ねたくなる程の量がある。
でも、数人で行って分けて食べればそれでいい。
半分ジャンクフードのような味のメキシカンは、
気軽に食べて飲むにはやっぱり大事なパートを担っているのだ(私の中では)
予算を組み上げて時計を見たら、23時を軽く回っている時間だった。
昼にサンドイッチを食べただけで何も食べていないのだが、既にこんな時間だ。
マトモな食事は難しいから結局飲み屋か・・・と少し悲しくなるが、
とにかく今日は早く帰りたい・・と駐車場に急いだ。
若者向けの飲み屋から漂ってくる匂いは「タコス」の匂い・・・
独特のスパイシーな味と辛さ、レタスのシャキシャキ感、トルティーヤのトウモロコシ風味・・・
あ〜ビール飲みてぇ・・・
飲んだら乗れない・・・・から、
頭に浮かんでくる「タコス」忘れるためにも、急ぎ足となった・・・・。
反町へ帰って、「アパカバー」か「遙喰」で「タコライス」でも食べようか?
トルティーヤじゃなくても、あのスパイシーな味だけは楽しめる。
しかし、量が多いんだよなぁ・・・
(夜中にそんなに食べたら、デブまっしぐら(^_^;))
で、結局「RobRoy」へ行った。
「何か食べさせて・・・」
「・・えっと・・・今日は『トルティーヤ』があります」
なんだと・・・・
トルティーヤがあるのか?
ってタコスだよな・・・
「・・・・く・・くれぇ・・」
「どうしたんすか? 何かお疲れのようで・・・
まさか今日、お初?」
「そう、何も食べて無い・・・」
「じゃ、急いで作りますね。
ソースはサルサかチーズ系がありますが?」
「サルサ!
んで、その前にビールちょうだい」
久々に「ソル」(メキシコ製ビール:コロナに似てる)を飲みながら、
ここのトルティーヤはどんなだろう・・・と想像していた。
そして・・・
柔らかいトルティーヤで具を包んだタコスが2本、
今日はコレが食いたかったんだろ?と言わんばかりに皿にのって出てきた。
レタスのシャキシャキとサルサソースの酸味と辛みが、ビールに合うのなんの(^_^)
トルティーヤは暖かくて柔らかく、結構大きめなおかげで食べ応えもあるのだ。
マスターは拘りの人だから、ピザ同様にトルティーヤも粉から作っているのだろう。
下手なメキシコ料理屋の物より美味しく感じるのは、この店に限ってアリなのだ。
最近、「エルトリート」に行ってない。
それは、一人では行きにくいからだ。(一品あたりの量の関係)
それでも「RobRoy」のタコスを食べたら、味の記憶が蘇ってしまった。
結局私の記憶は食べ物ばかり・・・・って事なのだろうか?
|