いっつもモルトじゃ飽きるよなぁ・・と思うのに、いつの間にかモルトを飲んでいるのが常。
ならばいっそ、モルトの無い店に行ってみよう・・・と思って出かけたのは
BAR&無国籍庶民料理「アパカバー」
横浜市神奈川区松本町1-2-3
045-323-0707
19:00〜26:00
月一回不定休
この店は反町駅前の歩道橋の側、2京沿いにあるのだが、
店構えがちょっとエスニック系で店員はラスタ系で、
怪しげな雰囲気を振りまいているから気になってはいた。
じゃぁ、何故入らなかったか・・・と言えば、
ラスタ系の店員が嫌いだったからに他ならない。
ドレッドヘアにだらしないTシャツ、ダボダボパンツでサーブされたら
美味しい物も不味くなるように感じたからだ。
店の雰囲気がそうだから・・・と言っても、洗えそうにないドレッドヘアは
飲食物を扱う店としてはマズイだろう・・・と思う。
で、そう思うからそんな店員を見ると、客としての自分がなめられているようにも感じるのだ。
入る前から不快にさせられたら、入る気になるわけもない・・・のだ。
しかし最近、その兄チャンの姿が消えている事に気づいていた。
もう一人ドレッドヘアの女性店員がいるのだが、
彼女は頭を大きな布で髪を包んでいるから、あまり不愉快には感じそうにない。
じゃぁ・・という気になれる条件はいつの間にか整っていたわけだ。
店の中は、細い竹(笹?)を一面に貼り付けた、もしくは「よしず」を貼り付けたような感じで、
入り口はいつも開きっぱなしにされている。
8人掛けのテーブルが3つに10人以上は座れるカウンターがあって、客層はモロに若者達ばかりだ。
この手の店に美味い酒は期待してはいけない。
味が変わらない物を頼んで、非日常的雰囲気を肴にさらっと楽しむに限る。
それにしても客が多いのは何故だろう・・・・
メニューを見た時、そんな疑問に対する答えがひとつあった。
食べ物が豊富で、全体的に安価だ。
食事からツマミやデザートまで、無国籍を謳うだけのバリエーションで揃っている。
反対に飲物は、カクテル物もメニューに存在するが、基本的に期待薄の構成になっている。
ウィスキーの部門にはグレンフィディックさえ載っていず、
一昔前の若者向け飲み屋と何ら変わっていない・・と言えば伝わるだろうか・・
生ビール(モルツ)
ターキーロック
ベトナム風豆腐サラダ
とオーダーする。
サラダは、ナンプラーを使ったドレッシングがかかった、豆腐入りサラダ。
オクラやジャガイモなどを葉物に加えてボリュームを出し、しかもまぁまぁ美味しい味付けがされていた。
(どこがベトナム風かわ解らないが)
しかし、生ビールは普通でワイルドターキーも最近の薄めのヤツ・・と飲物は言わずもがな・・だった。
でも、これでいいのだ。
店から外を見ても、店内が不思議な空間を演出しているから、ちょっと日本じゃないように見える。
ウルサイ若者達の声も、香港の下町あたりにいる・・と思って会話を追わなければ、
異空間を味わう助けとして働いてくれる。
これで2000円そこそこのコストなら、軽く飯を食って飲むのには悪くない。
静かに、味わって飲む酒も大事だが、
人間のエネルギーに満ちたような空間で煽る安酒もまた、
生きている実感と自分の立っている場所の確認にはなりそうだ。
慣れきっていない店の居心地の悪さは、こんな雑な店においてはそもそも存在しないのだろう。
いつもよりカウンターの中との距離を感じたが、この距離感もまた、たまには必要だ・・と思えた。
近いうち、ここの「タコライス」を試してみたい・・と思い始めている。
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