サイト内検索
AND OR
Photo Essay
Text Essay
Desktop Gallery
Guestbook
Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

重慶炒飯

休日に中華街なんて行くもんじゃない・・と言っても、
休みの日にしか中華街に辿り着けない人達には酷な事。

だから、無理をしてでも休日に横浜中華街までやってくるのだろうが
現実に安くて美味しいランチメニューはどこにも無い・・・。
人気店は行列ができ、食べ放題専門店は人の列がとぐろをを巻いていたりするのだ。

当然、相談者は地元民に情報を得ようとするのだろうが、こっちも休日で混んでいる所には出かけない。
休日、どの店がどれくらい混んでいる・・・なんて情報は、最初から得ようと努力したくない・・・。

仕方なく「ウィークデイなら美味しいんだが・・」との注釈付きで情報提供してきた。


「辛い物食べようぜ〜」

「唐辛子系?」

「そう、暑いからさぁ」

「辛いのっつ〜たら、四川だけど・・・」

「良い店ある?」


良い店かどうかは解らんが、四川料理・・と聞いて思い浮かぶ店は


重慶飯店本館

横浜市中区山下町164
045-641-8288
11:30〜22:00(LO21:00) 無休


しか無い。

ここは中華街で最初に四川料理専門店として開業した店で、
現在はホリデイ・インにも支店を持つ老舗なのだ。

何故、ここが浮かんだか・・・といえば、
「麻婆豆腐が食べたい・・・」という一言に反応しただけなのだが、
いつもは昼のランチでしか食べていない・・・。

そう、ランチメニュー以外に食べた事が無かったのだ。

今日は一緒に昼飯を食べよう・・という事だから、丁度良い。
ランチメニューと普通にランチを食べるのとの違いを検証できるじゃないか。


店は、昼時だ・・というのにごった返していなく、冷房もキッチリ効いて居心地が良い。
本通り沿いに無い事と、本格的四川料理をうたい文句にしているから、
ここを目指して来る客は少ないのかも知れない・・・。

こっちにしてみれば、観光客の喧噪を離れてゆっくり飯が食える事は、とても有り難い事でもある。

良い店紹介できたな・・・とまずは思うが、問題は食事だ。
で、

「青菜炒め」(小) 600円
「麻婆豆腐」(小)1000円
「重慶炒飯」   1000円
「ビール生」    600円

というオーダーをしてみた。


随分質素に見えるかも知れないが、これは普通のメニュー上の料理である。
量は想像以上に多いと考えないと「頼んだは良いが食べきれない・・」って事になるのだ。
(ただの青菜炒めが小皿なのに1600円もするんだから、推して知るべし)

果たして、出てきた「青菜炒め」は、「青梗菜」と「筍」と「椎茸」を炒めた
二人分以上の量のあるものだった。(それとご飯だけで充分なくらい)

そして麻婆豆腐はちょっと小振りのカレー皿に一杯分。
その辛さから、これも一人では食べきれない量だと思う。


ビールを飲みながらツマミ代わりに手を伸ばしてみた。

青梗菜は下茹でが上手なのか、シャキシャキ感がなかなかの物。
麻婆豆腐は、ランチで食べるものより穏やかで優しい感じがするが、花椒のおかげで汗が噴き出してくる。

いつもはこれでもか・・と辛い感じがするが、
今日の味付けは塩加減も唐辛子の量も私の好みに合っている。

ただ、ラー油はいつもより多目のように感じるのだが、不思議と味が良い。
もしかしたら、ランチに使うモノとは違うのかな・・と思いながら、
麻婆豆腐と一緒に食べたい「重慶炒飯」を待っていた。

海老と鶏肉をメインにXO醤を使って仕上げた・・というちょっと辛目の炒飯は、
普通の広東風炒飯に慣れている私にとっても初挑戦の一品。

中華街でどこの炒飯が美味しい?と尋ねられる事が多いから、
こういう時はとにかく一品をシェアするつもりで炒飯をオーダーする事が多いのだ。

サーブされた炒飯は、ごく普通の炒飯に輪切りの唐辛子と大きめの鶏肉・海老が使われている感じで、
1000円というコストに見合った豪華さも備えていた。

四川風の炒飯と言えども炒飯は炒飯。
普通に食べてみて驚いた。


美味い!
ちっとも辛くない!


XO醤を使った炒め物は、自分の家でもたまにやっていたから、
味の想像はついていたのだが、その想像を遙かに越える調和が、そこに有った。

炒め方も素晴らしいし、鶏肉と海老といった火の通り方が違う素材の差も出ていない。

これには、ハッキリ言って、驚いた。
かなり美味しい・・・と正直に感じた。

連れも「美味い」を連発してくれる。


炒飯は、作る人によってかなり違う味になるもので、
同じ店で食べても毎回違った物が出る・・なんて事が当たり前。
安定している・・と言われる「同發本館」でさえ、外れる事はあるのだ。
だから、今回食べた物がまた、同じように出される確立がどれぐらい高いかわからない。

休日の午後、客が少ない時に、料理長が自ら作ってくれた物だったりしたら、
普段同じ物が食べられる保証はどこにもない・・・・。

だから今日、こんな炒飯に出会えた事は凄く幸せな事で、
明日来て同じ味じゃなかったとしても怒るまい・・・と、心の中で誓ったのだ。


空いている名店はちゃんとした料理を出してくれる・・
という傾向は、今日食べてみて、あらためて実感できた事。

中華街で心ならずも休日に食事をしよう・・とする人は、
高い・・と敬遠せずに空いている名店に入る事も、一つのチョイスだと言えよう。
(間違えても、「食べ放題」で有名な店には行かないように!)

 
 
サイト内の画像・テキスト等の無断利用・転載は禁じます。
Hisashi Wakao, a member of KENTAUROS all rights reserved. / Web design Shigeyuki Nakama
某若夢話は横浜飛天双○能を応援しています。