今日は、オンエアが迫った番組の追加撮影があって、
久々にマトモなテレビカメラを担いだ。
(先週のデジカメと違ってかなり重い)
それは確実に腹を減らせ、筋肉を痛めつけ、
その代わりにたくさんの汗を吹き出してくれる。
でも、ちっともめげない。
何故なら、ロケに出かけると特別な楽しみがあるのだ(^_^)
それは勿論「食事」。
ディレクターのオススメで「花桐」(神奈川区・片倉町)という名前の定食屋に向かう。
そう、この「定食屋」というのが良いのだ。
山盛りの丼ご飯にこれでもか・・・のオカズ。
そして添え物にも店の工夫があって、なおかつ安い。
それでいて、充分に値段に見合った味が待っている・・・・。
コストパフォーマンス重視の私にとっては、無性に行きたくなるカテゴリーの一つなのだ。
ディレクターとアシスタントディレクターは、それぞれメンチカツ定食とアジフライ定食を頼んだ。
でかいカツとフライを交換してミックス定食にするつもりらしい。
こっちもメンチ・・・と思ったが、肉の固まりを油で揚げた物を2つも食べる勇気が無く、
メンチカツカレー(800円)をオーダーした。
「はい、メンチ〜」と出された物を見てほっとする。
直径12センチ厚さ3センチオーバーのドッシリとしたメンチカツが2個に、
皿の半分を覆い隠す大量のキャベツの千切り。
そして生卵一個と味噌汁のセットだ。
どう見ても今の私にはオーバーカロリー間違い無し・・なのだ(^_^;)
しかし、一個でもカレーとあわせたらやっぱり凄いカロリーだろうな・・・
若い頃、街道沿いのトラック野郎相手の定食屋を回るのが趣味だった事がある。
厳つい感じのオヤジ達が丼飯と大量のオカズでメシを食い、情報交換を兼ねた談笑も独特の迫力が溢れている。
そんな店内を仕切るのはだいたいオバチャンで、これがまた気持良い位に歯切れが良い。
もちろん若造ライダーにはカナリ肩身が狭く感じるのだが、
独特の空気が好きなのと、安くて量あるメシの魅力にすっかりやられていた。
食べ盛り・・という年齢もあったろうが、その頃は食べる量にも余裕があった。
カツ丼+大もり蕎麦なんてのは当たり前。
1ポンドステーキだって根性入れれば食べきれた。
ただ、大量に食べられるだけの金銭的余裕が無かったから、
質より量の店を探す事は、ある意味とても大切な事だった・・と思う。
しかし、何事にも限度・・という物はあるのだ。
それは、246号線沿いのそんな店に入った時の事だった。
店内は30人位は入れるサイズで、駐車場にはでかいトラックがガンガン停まっていたせいもあってか、
座れる席は3つしか見えない程の混み方をしている、期待できる店だった。
その混み方とオヤジ達の楽しそうな笑い声から、味と量に裏切られる感じはしない。
くつろいで食べられて、不満の無い笑顔がこぼれているのだ。
絶対、ココは当たりだ・・・と、勝手に思い込んだ。
しかし、すぐ隣のテーブルの上を見た時、少しだけ不安がかすめた。
何故なら、この店では丼メシの丼がラーメン丼なのだ。
こりゃ、久々に腹が苦しくなるかも知れない・・・・
たくさん食べたい・・と言っても肉体労働者ほどの食欲も体格も無いから、
2食分程度で充分過ぎるのが当時の私。
だから、ラーメン丼に山盛りでご飯が出たら、それに見合う量のオカズを食べきれる自信は無かった。
しかし、もう入ってしまったのだ。
そして腹もかなり減っていたのだ。
「オバチャン〜! 豚カツ定食ね〜」
「あいよ〜」
おいおいおい・・・・
長い方の直径が35センチはあろう・・かという楕円の皿に、
茶色くなるほどしっかり揚げた厚み3センチオーバーの豚カツが2枚。
もちろんそんな事したらカツが落ちるだろう・・・と
心配したくなる程の量の千切りキャベツが下に敷いてある。
切り口から見える肉は、いっぱいの肉汁が溢れるような脂身いっぱいの豚肉だが、
どう見ても300グラムは余裕で越えていそうな量なのだ。
ふわ・・・と思った瞬間、ドン!と丼飯が出た。
やっぱり、山盛りだ・・・・・(*_*)
いいでしょ・・・
食べてみましょ・・・
小鉢に溢れそうな量の漬け物も出してくれたが、
肉をやっつけられてから食べるかどうか考える事にする。
ソースをカバカバとぶっかけ最初の一切れを食べたら、ガツッと歯ごたえのある固まりがあるものの、
クリスピーな感触の衣と口の中に広がる豚の脂で、なかなかの美味しさを感じられた。
これなら、結構食えるかも・・・
やっぱり当たり?・・・かも(^_^)
とにかく勢いだ。
キャベツとカツを交互に食べながら、丼飯をかっこんでいく。
しかし食い辛い・・・
なんだか口の中がモコモコする・・・・?
あぁ〜
おばちゃん、味噌汁無いじゃん!
定食には味噌汁くらいつくよねぇ???
と、とにかく給仕のおばちゃんに文句を言おう・・とした。
しかしオバチャンは両手に何かを持ちながらコッチに向かってくる。
ラーメン丼とサラダと、後なんだろう・・・・
「ごめんねぇ〜。
ちょっと味噌汁遅れちゃって食べづらかったでしょう?」
「大丈夫だけど、早く味噌汁欲しいなぁ〜」
「だから持ってきたのよ〜」
持ってきたのよ〜?
持ってきた??
ドン! と置かれたラーメン丼には、なみなみと注がれた味噌汁が待っていた。
お〜い!! こんなに飲めるかよぉぉ・・と言いたくなった私に、
「兄ちゃん若いからサービスねぇ」
とこれまた直径20センチ級の皿に山盛りのサラダ。
そして生卵を一つ。
想像して欲しい。
ラーメン丼二つに、山盛りご飯と味噌汁が入ってる。
そして豚カツ2枚に山盛りサラダ、そして卵だぜ・・・。
どうやって食えって言うんだよ・・・・
こうなりゃヤケ・・だ。
勢いで食えるだけ食ってやる!
丼ご飯の真ん中に穴を空け、解いた卵に醤油をたらして混ぜたものを注ぐ。
食べて減ったあたりにソースのかかったキャベツを敷いて、
豚カツをのせたら素晴らしい見栄えじゃないか。
箸も折れるか・・という速度でそれらを口の中に放り込み、
両手で味噌汁の入った丼を煽って流し込む。
たまにアクセントでサラダを突っ込むが、
マヨネーズベースのドレッシングがまたシツコイ(;_;)
もちろんお新香なんて食べる余裕なんてありゃしない・・・。
神様ごめんなさい
もうたくさん食べたい・・なんて思いません・・・
残すのは大嫌いですが、今日は残してしまうかも知れません・・・
お願いですから、ご飯粒が残っても「目」を潰したりしないでくださいぃぃぃ・・・
そして、「二度とケンカは売りません・・」と心の中で反省しながら、
若き日のフードファイトは辛うじてKOを免れる形で終了した。
(そのあと1時間位は動けなかった)
丼飯、生卵、大量のオカズ・・・・。
それはやっぱり身体を動かして仕事した・・という実感には有り難い食事。
(もちろん限度はあるよ!限度は!!)
たまに行った事の無い店に行くと、こんな風に昔が蘇ったりするから面白いね。
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