「何かエールを下さい・・・・・」
「ないよ」
無いよ・・じゃないよ〜(;_;)
イギリスは黒ビールが揃ってんじゃないの〜?
これはロンドンのソーホー地区にあるパブでの話。
本場のビターやエールが飲める・・と思っていたのだが、店の反応は思ったより冷たかった。
仕方なく日本に於いてメジャーなエールを頼んでみる。
「じゃ、バス・ペールエールは?」
「?」
何言ってんの・・・?的反応を見て、諦める。
(本場のバスも飲んでみたかったのだが・・・)
で、マーフィーズやキリングフィシャー、そしてギネス等を楽しんでいた。
しかしそれは「単なる誤解」であった。
何故なら、彼等が言う「ビア」とはエールの事なのだ。
(帰ってきて調べて解った(^_^;))
パブの樽の中でもまだ酵母が生きているビール(フィルター未使用殺菌無し)が「エール」で、
高濃度でホップの添加量が多いエールを「ペールエール」
伝統的醸造法で作られ、樽で熟成させたペールエールの樽詰生ビールを「ビターエール」
としているのだが、パブでは一々そんな事を気にしていないようだ。
事実出される「ビア」は「ラガー」と頼まない限り全部黒ビール。
だから、飲んでいたビアは全部エールだった・・という事らしい。
(もっともギネスは「スタウト」だが)
どれもこれも、少し酸味があって麦汁の味が残って、
不思議と後味の良い柔らかい物ばかり。
で、今回は「ラガー」を一切頼まず、ひたすら「パイント・オブ・ビア」(パイント=約570cc)
昼も夜もこれ無しでは始まらなかった・・・・(爆)
しかし慣れとは恐ろしい。
帰ってきても、あのビアが飲みたくなる・・・。
あのエール達に比べると「バス・ペールエール」は上品過ぎる。
ギネスだって同様だが、まだイギリスを感じる事ができる・・・かな。
だから、「ロイヤル・アスコット」へ行っても「RobRoy」へ行っても、ついついギネスを頼んでしまうのだ。
「ストラーダ」では、ギネスをオーダーすると冷やした物と常温の物とのチョイスを、させてくれる。
その常温の物は日本の気候故に少しばかり暖かめとなってしまうが、現地のパブで飲む物に近い味がするのだ。
しかし、瓶詰めのギネスはたいがい冷やされて出てくる事が多く、
今日「RobRoy」でオーダーしたのもまさにソレ・・・だった。
「マスター、冷やしてないのは無いの〜?」
「すいません・・・ありません・・・」
「ほんのちょっとだけ冷えてる位がいいんだけどなぁ・・・」
「冷え切ってきないのならありますが・・・」
おっけいおっけいソレで良いよ(^_^)
と出してもらった物は、幾分柔らかみがある味になっていた。
冷えるとビールはキレが増す。
だからベルベットのような泡の感触を楽しみたい人にとっては、冷えたギネスは邪道に思えるだろう。
しかし、黒ビール独特の味や香りはマスクされ飲みやすくなるのも事実だし、
「ハーフ&ハーフ」(黒ビール+ラガービール)を作る為には冷えていないと都合が悪い。
だから冷やして置いている店が多いのだろうか?
パブで飲んだ黒ビール達は、ほんの少し冷えた感じの柔らかい、優しい味だった。
その味が好きになってしまった私にとって、冷えたギネスはちょっとつらい。
願わくは、ほんの少し冷えたギネスを飲みたいが、必ず飲む姿を見せない限りは実現不能だろう。
そんな黒ビールの飲み方を店に強要するために、何回通う事になるのだろうか・・・・
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