時差ボケの身体をどうにか叩き起こし、会社に向かう。
前日会社に寄らずに帰ったため、機材を運ばなくてはならないのだ。
タクシーにそれらを放り込んで会社に向かえば、窓から見える景色は日常的にめにしている風景。
でも、なんだか淋しく冷たく見えた。
イギリスは、高い建物が殆ど無い。
緑が至る所に配置されている。
色調は柔らかい感じで、時間という衣を纏った空気が今を主張しているようだ。
ロンドンタクシーに比べるな・・・と自戒するが、
足元に機材も置けない狭さはまさに日本の住宅事情に似ている・・と思う。
ただそのコストは安く、生活の根底を左右する物価の違いをあらためて感じた。
ホテルの朝食が3600円もあうるような国では、
会社員達はサンドイッチショップやコーヒーショップで朝食を取る。
それでもサンドイッチは500円をオーバーし、コーヒーも350円程度はしてしまうのだ。
日本だったらその半分で済むし、香港だったら1/3。
それも文化水準の違いなんだろうか・・・・
そんな彼等の昼食は、サンドイッチとバイント・オブ・ビアだとか・・・・(それでも1000円近くする)
食べるより飲む?のか、それが決まりなのかはわからないが
昼にはビールが付き物の国らしい。
そんな事実だけでも違いの大きさを感じるが、時間でピタッと店を閉めてしまう文化もまた、
個人の時間を確保する生き方のために役立っているのだろう。
オフィスアウトしてからゴルフを楽しむ人達もいる・・と聞いた。
今回は現地スタッフと、ノンビリとした昼食を取るチャンスがあった。
たまたま、美味しくなければ二度と行かない・・という考えを持ったドライバーだったため、
彼が連れて行く店は素晴らしい店ばかり。
そして「イギリスは不味い」という概念は、18年前の常識として整理できる事となった。
美味しいエールと盛りの良い食事を、オープンカフェで楽しむ。
それはココ最近の流行でもあるらしいが、一年中で一番気候の良い今(イギリスに於いて)
人々は仕事に戻るそぶりも見せずにゆっくりくつろいでいた。
会社のデスクに座ってもまだ、自由時間の少ない日常には戻れない。
山積みになった書類を処理する気力も出ない。
でも、体内時計が狂う程の長距離を味わうのは、
慣れきって鈍った感性をシフトするには大事らしい。
窓から見える日常的風景は、妙にオリエンタルに見えるのだ。
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