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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

スタイル

28度を超えたらノータイ・・と新聞発表された翌日、横浜市役所の人間にその変化を尋ねてみた。

「もうさぁ、見事だよ・・・、皆ノータイで出てきやがんの(^_^;)」

「まぁ、あの暑さでネクタイは拷問だからねぇ」

「それでも公僕としては、そういう部分は大事だ・・と考えていたんだが、
 エアコン設定がアレだし、残業時間はエアコン切れるし・・・、ある意味助かるよ」

なるほどなぁ・・・と思う。
納税者が見た時、失礼だ・・と感じさせる格好は難しい・・・と考えるわけだ。(建前として)

じゃぁ、軽装・・とされる格好はどうなのよ?ときくと、案の定の答えが返ってきた。

不可な服装
男:ジーンズ・Tシャツ・サンダル・短パン
女:キャミソールなどの肩ひもだけの上衣等

だそうな・・・・。
と言う事は、私みたいなYシャツ+ブラックジーンズ+ウェスタンブーツはダメかもしれない・・(^_^;)

カジュアルとビジネスウェアの違いがどこにあるか・・がその社会の物差しになるとすれば、
役所のビジネスで許される軽装のラインは、思ったより柔軟だ・・・と考えられる。
色の指定や形の指定など、細かな縛りはそこには見えないからだ。

じゃぁ・・と自分に置き換えた時、紺ブレを羽織ってどうにか収まる・・というラインがボーダーとなっているから、
役所よりシビアな部分と柔軟な部分が混在していると、考えられる。

でも、不思議に思うのは、ジーンズがダメな事。
作業着扱いなのか失礼にあたるモノとして考えているあたりが、やっぱり役所なんだろう。
昭和でもあるまいし・・・・。

「しかしさぁ・・・オヤジ達ってどうしてああセンス無いかねって位ダサイぜ」

「ゴルフウェアかい?」

「そんなのはまだマシ。 普通のワイシャツにノータイでくるヤツも結構いるんだよ」

「ジャケットは?」

「持ってこねぇよ」

「って、それ、かなりヒドくね?」

「きっと休日に着る物なんて無いんだろうな・・・」

「かっこいいのはいないのか?」

「勿論いるよ。
 ちゃんとしたオフの格好でいながら、微妙に仕事に耐えられそうなスタイルってパターン。
 そういうヤツって基本的にカッコ良いんだけどな。
 まっ、思いっ切りセンスの有る無しがバレバレってとこだな」

会社で見ていて許せないかっこうは・・・と自分自身が考えてみれば、

男:襟無し(場合によって可)・短パン・サンダル
女:肩が全部出るモノ(何か羽織ればOK)・下着にしか見えない物&下着を見せるスタイル

位しか思い浮かばない。

正装・・と言えばその社会の中での格式が問題になるから、
ビジネスシーンにおけるジャケット&ネクタイは当分廃れないのだろう。
役所が、ソレを捨てさせるような動きを見せる事は、ある意味評価できる事だが、
ジーンズはそんな動きの中でも外されてしまうところが少し悲しい・・と思ってしまう。


智成の葬式の日、
ジーンズに黒Tシャツ、黒バンダナを額に巻き、革ジャンに看板を背負って、参列した。

これは間違いなく我が族の正装である。
しかし、一般社会においては思いっ切りカジュアルでもある。

敢えて自分流に参列したのは、もっとも自分らしいスタイルでヤツを送りたかったからだ。
そうする事がきっと彼との関係において重要だと考えるし、家族以上の付き合いをしてきたからこそ
一般社会を無視する必要が私自身の感情としてあった。

果たして、葬儀社の人達は一様にギョッとした表情を見せ、参列者の中にも「何物?」という顔をする人はいた。
しかし、久々に会った仲間達は驚きもしない・・・。

「そんなの着て暑くないか〜?  ・・・慣れてるか・・・」

慣れてる・・・と言われるのなら、それはスタイルとして見えていると考えて良い。

そう・・・・俺達は、何時死ぬか解らない生き方。
だからこの正装は、鎧であり喪服でもあるのだ。

「俺は俺の走り方で走っていくよ・・・」

と最後の別れをする時に、智成に誓う。
言葉と態度をスタイルで裏付けし、永久の別れを告げた。


役人がノータイでいる事の是非はともかく、ジーンズを低く見る常識はどうなんだろう。
その生い立ちが作業着だから・・というなら、運動着が何故許される?
(ゴルフウェアもポロシャツもそうじゃないか?)

それは全て、対市民に与える印象を考えての事。
考える立場の人間に、ジーンズはダメ・・という常識があるだけの事。

オンでもジーンズで・・というシーンが少なすぎてその常識が崩れないのなら、
こっちは意地でもシーンズでいてやろう・・なんて考えたりもするが・・・・
若い中田市長を持ってしても、まだまだジーンズはメジャーなアイテムと認めてもらえないらしい。


横浜は大いなる田舎だから、一流ホテルのバーでもケンタウロス正装で入店を断られた事は無いが、
「断らせないぞ」という無言の圧力無くしては行動できないのも事実。

生き方がファッションに現れている以上譲る理由はどこにも無いし、
格好で判断する事はその生き方を否定する事と同意だ・・と感じさせるのには、
それだけの自分を確立するしかないって事になる。

つまりは、本人がこれで良いと信じている事が大事なのだ・・・と思うのだが。

 
 
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