駐車場に待っているバイクは、殆どの外装パーツが新品だという事もあって、
光の衣を纏ったように輝いている。
日差しは「梅雨明け宣言」に見合うように容赦なく、
その強さは空気を揺らして、黒いバイクに跨る事を躊躇させた。
12時頃の待ち合わせなのに、愛知から辿り着いた仲間からの電話を受けていてスタートが遅れる。
しかし、6000回転以下でも充分なスピードは出る。
通行区分帯の上でツイストを踊れば、「置いて行こう・・」と仲間が思う前に集合地点にたどり着けるだろう・・。
一国を下り横浜新道に乗る。
無意識に全開にしそうになるのをぐっと堪える・・・・
フルスケール260キロのスピードメーターで100キロを示す角度は、
日頃滅多に見ない角度だ・・・と感じて、ヘルメットの中で苦笑した。
マジェスティに乗った仲間と合流し、100キロを守って東名を走る。
三車線の整備された高速道路は、ややもすると単調で眠気を誘うはずだが、
今日ばかりはそんな感じにならない。
歩くような速度だが、そのお陰でよそ見のし放題。
真後ろを向いて、後続のマジェスティと睨めっこをしたり、真上の雲を眺めてみたり・・・。
ふっと目線を落としたら、新品のタンクは鏡のように輝き、青空も白い雲も綺麗に映って見えた。
自分の姿の上には青い空と白い雲が、少し広角っぽい歪み方で映るのだ。
「この絵だけは自分じゃぁ撮りにくいなぁ・・・」と呟くが、
この写せない風景こそがバイク乗りにとっての大好きな情景だったりする。
そんな事を考えていると、大好きなステンレスタンクローリーが走っていた。
当然、ピッタリとケツについて、映り込む風景を堪能する(爆)
「こんなに好きだったんだ・・」と自分で自分の別な面を見つけて驚きながら、風を友に浸りまくる。
その気持ちよさは、オープンならではの気持ちよさ。
車でもオープンだったら近い感触は得られるが、それには交通をリードできる加速も欲しい。
車の集団から離れてマイペースで走れる事がその気持ちよさを倍増する・・と信じているから・・だが。
ケンタウロス・サマーパーティー
モーターサイクルクラブのメンバーとして参加するのに、バイクで行けない事が多かったここ数年。
思い出せば、必ずゲストを連れての参加だったから、でもあるが、
誰かをバイクで引っ張りながら目的地まで走る事は苦手だから、どうしても車が多かった。
だから今回のように、仲間と連んで走るのは初めての事。
しかも奴は、こっちのハネムーンを邪魔しないように、かなり離れて走ってくれる・・・。
目指す集合地点は、もうすぐだ。
今年は誰と会えるだろう。
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