風が吹いても消えない・・・と宣伝されるライター「ZIPPO」
その存在に憧れを抱いたのは高校生の頃だった。
とにかく高価だった・・という記憶しか無いのだが、
それでも「一つだけは持とう」と無理して購入したのは、それから随分後(20の頃)だったと思う。
どうせ持つなら「珍しい物が良い」と考えるのは私らしいヒネクレ方だが、
どこにでもある物でなくて、自分らしい物であって、そんなに高価でない物・・・・、
ソレを探す事はどんなアイテムでも難しい。
しかし、ずっと持ち続けたいものだからこそ、そこに拘りたかった。
当時、伊勢佐木長者町には「オプション・タカノ」というバイクパーツ屋があった。
ハーレーやドカ等、その手の外車に使うパーツやステッカー類、
果ては純正ヘルメットまで置いてある、バイク小僧垂涎のおもちゃ箱・・・・・。
それが、その店のイメージだった。
もちろんその店にある物は、滅多に手に入らない物ばかり。
だから、目の保養に・・と覗きに行く事も多かったが、そこで私に「買って〜」と声をかけた物がある。
それが、ハーレーのマーク(No.1マーク)入りジッポーだった。
もっともアメリカらしいマークでもある星条旗を「1」という数字の形に切り取ったそのマークは、
アメリカっぽさを感じさせるジッポーにピッタリだと感じた・・・というより、心を奪われた。
そして、駐車場のバイト代1日分と引き替えに、ソレを即座に購入したのは言うまでもない。
どれだけ格好良く着火するか・・というのは、当時の若者の間で話題となった事。
片手で点けるのに、ジーンズに擦りつけるウチはまだまだ初心者で、
3本の指で挟み、指を鳴らすようなアクションで蓋を開ける事ができてやっと一人前となる。
左手の掌に煙草を置いて右手で叩いて飛ばし、半回転した所を口でくわえると同時に
ジッポーの蓋をそうやって開ける・・・・・。
そんな技をさりげなく当たり前にやってみたくて、皆で練習した事もあった(^_^;)
もっとも達人は右手で煙草を出しながら左手でマッチ箱からマッチを取りだし、
煙草をくわえる時には片手でマッチに着火できていたりするから、上を見たらキリがない(爆)
その後、ラリーを始めて煙草を止めてしまっても、ジッポーだけは手放さずに持っていた。
それはきっと、あのアメリカっぽさが好きでたまらないからだと思う。
で、現在は、シッポー社のマーク(女性)が入ったポリッシュとスターリングシルバーを、
使いもしないのに買い足して持っている(爆)
今日、智成が持っていたジッポーが、形見分けとして届いた。
着火してみたらちゃんと点く。
「何だ・・・まだコイツ、生きてんじゃん・・」と呟く。
「たまにはコレでシガリロに火を点けてみるかなぁ・・・」とも思う。
いっぱい付いたキズの一つ一つが彼の行動の記録だから、
アイツと話す時はコレを使ってみよう。
そうしたらきっと、寂しがりやのアイツも少しは元気になれるだろう・・・・。
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