朝、日差しはさりげなく窓から入ってくる。
その眩しさで、目が覚めた。
しかし、何か不自然でたまらない・・・。
夕べ左側に日が沈むのを確認したのに、今は右側から日が差している。
それがどうしてもシックリこないのだ。
で、色々考えているうちに、今の自分は北を向いている事に気がついた。
宿の窓は北を向いている・・・・・。
南向きの窓に慣れている自分にとって、左側から日が昇り右側に沈む事は理解の範疇を越えている。
彼の地では暑さ対策もあって、こんな間取りでの設計もあるのかもしれないが。
殆ど真上に上がる太陽のお陰で北側の窓にも幾分陽が射し、風景の感じも全然違って見える。
だが、こんな所で人物撮影する・・となると、このトップライトは都合が悪いモノになる。
コントラストが付きすぎるのと影が出やすいので、それに負けない別の照明が必要となるのだ。
そんな仕事をする事も無いだろうが、先日人物を撮った時の事をフッと思い出し、
そんな立場で無い事に安堵した。
しかし、この困った日差しとその角度が石垣の色を作っているのは事実。
もちろん木陰の気持ちよさも・・・。
そして、その色や光に魅入られている事も・・・。
昨晩、目指す店が定休日のため食べられなかった石垣牛を食べに、同じ店に向かう。
ステーキハウス「パポイヤ」
沖縄県石垣市大川258
09808-3-3706
日曜定休
ここは、石垣牛のステーキが食べられる数少ない店のひとつで、石垣に行ったら必ず食べに行きたい所。
サーロイン(200g)スープ・サラダ・ライス・コーヒー付き 6800円
とオリオンビール(生)をオーダーすると、
ツマミに牛の脂肪をニンニクと一緒にカリカリに揚げ焼きしたモノを出してくれた。
ゴーヤのピクルスもあってビールの進む事(^_^;)
そして、レアで頼んだ石垣牛。
去年の化け物のような肉ではなかったが、
タップリとした脂がのっていて、とても美味しい。
これぞ牛〜・・・と叫びたくなるような肉汁と素朴な味が同居する石垣牛ならではのもの。
(松阪牛もこの石垣牛の子牛を買い付けて育てたもの・・と聞くが、育て方で素朴になるのだろうか?)
しかし、この三日間でよくまぁ食べた事。
明らかにウェートを増やしたかなぁ・・・・・。
「18:05発 那覇行き」というかなり遅めのフライトに乗る。
こんな時間に乗り継ぎで帰ると羽田に着く頃はとっくに22時を過ぎる事になるが、諸般の事情で仕方ない。
夕景を窓越しに撮りたかったのだが窓際の席は取れず、こりゃ寝るしかないな・・・と少しふてくされ気味。
それでも、何となく外が見たくて窓の方を向いていると、
隣の窓際に座った女性が、離陸と同時にボロボロと泣き出してしまった。
オイオイ、どうした・・・?
何もしてないぞ・・・俺
彼女は窓から見える島をジッと見ながら、タオルで目頭を押さえている・・・。
一人きりで座っているようだから・・・と想像を巡らせる。
どこか遠くへ一人で旅立つ時、涙する・・・のは、
島を捨てて都会へ向かう?
遠距離恋愛で自宅へ戻る?
といったところだろうか・・・・。
何だか純なシーンを見たようで、少しボ〜っとしてしまったが、
こんな涙って最近無いな・・・と単純に気付く。
それを、「歳を取った」と表現したくはないが、激情にかられて後先考えない行動は取らなくなり、
心も大きく動く事が無くなってきた・・・と言うか、鈍感になってきた・・・と感じる。
ただ、まずいなぁ・・と思いながら、もう一つの事にも気がついた。
今の自分は、南の島で呆けて、見るモノ感じるモノのポイントがズレているんだ・・・と。
このズレのお陰で、また明日からの日常が新鮮になるんだ・・・という事も。
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