先週、仕事を振った友達に、少しばかりのお礼という事で山田屋へ行く。
「手ぐすねひいて待ってたよ〜」と板長に言われつつ、
そんなに顔出してなかったっけ・・・と思いつつ、
例によってお任せで寿司を摘む。
彼は、酒は弱いタイプなので、最初だけ「加茂鶴・大吟醸」で乾杯をする。
(日曜に飲んだ「双鶴」に比べると普通の酒に感じる・・(^_^;))
今日はお通しに「シャコ」が出た。
この店で「シャコ」を出すのは珍しく(板長が納得しない物は出ない)、
苦手だ・・と言ってた彼も「美味い」と喜んでいる。
こりゃ、最初から当たりか・・?
「鰺」
「車海老」(頭付き)
「鯛」
「小鰭」
「卵」(台抜き)
「鮪」
と握りがテンポ良く出されるが、今日は全般的にネタが良い感じ。
「車海老」の甘さは素晴らしく、「鯛」は爽やかな滋味に溢れている。
「小鰭」は小振りのサイズが良くて「鮪」は脂の乗りが丁度良い。
「さ〜て、珍しいのが2本だけ残ってたから、一本ずつ食べてね」
と板長が言う。
で、出された物は「天然鮎の変わり揚げ」だった。
いい形の鮎の骨を抜いてチーズと紫蘇を挟み、衣にはアーモンドチップをつけてある。
塩を振って頭から頂くと、柔らかさと鮎の香りが実に美味しい。
チーズがケンカするか・・とも思ったが、上手い具合に食感にアクセントをつけているだけで、
効果的に味を引き立てているのが不思議だ。
「ツブ貝串焼き」(もろみ焼き&塩焼き)を囓りながら酒を飲む。
これじゃ、酒が進んでしょうがない(笑)
6月1日は天然鮎の解禁日。
当然月初は鮎を食べたがる客も多いだろうし、その値段も一寸ばかし高くなるのは想像できる。
ところがそういう時、板長はその手の「旬物」を絶対勧めようとはしないのだ。
こちらの懐具合をどうやって見切っているのか解らないが、
一人あたり5000円見当で割り振ってくれるのはとても有り難い事。
値段に見合った味が提供できない初物は、そんな献立の邪魔にしかならないのかも知れない。
「鰻」
「縁側」
「雲丹」
「鉄火葱巻」
と頂けば、もうかなり腹持ちが良くなってきたが、何となく白身が食べたくなったので、
とても美味しかった縁側の本体(ヒラメ)を所望すると、板長が「コッチは?」と出してくれたのが・・
「鱧」
の握りだった。
さすがは日本料理屋、コース料理の中にはこの時期関東でも出される鱧があるのだろう。
綺麗に骨切りした切り身は梅のソースを少しだけつけて頂いた。
梅雨から夏に向けての食材を味わうと、いよいよ夏が来るんだなぁ・・と腹の中から声がするようだ。
こんな季節感が存在する事も、この店の好きな所かも知れない・・と思っていたら、
「こんなのはどう?」と板長が変わった巻物を出した。
「桜エビのかき揚げ巻」
桜エビの香りと天ぷららしい油の味。
酢メシを使った「天むす」のようにも感じるソレは、なかなかのヒットだと思う。
食材を美味しく食べる工夫を面白がる板長にとって、
どんな変わった食べ方も受け入れて喜ぶ変な客(俺)は格好の餌食(^_^;)
お任せで食べるようになってから今まで作った不思議な寿司は、
コッチが覚えているだけでも10や20じゃ下らないはずだ。
でも、バーカウンターでバーテンダーと話をしながら飲むようなやり方が好きだから、
せっかくカウンターに座っているのに「決まり物」を食べるなんて容認できない。
だから、「手ぐすねひいて待ってたよ〜」の意味が良くわかるのだ(爆)
もう少しだけ食べようと思って、友達のリクエストも入れて
「子持ち昆布」
「蛸」
と頂いたら、さすがに腹が一杯になってしまった。
本当は、トドメに「穴子」を食べたかったのだが、これ以上はもう入らない。
残念な気持は次回に持ち越す頃にして、話を楽しむために河岸を変える事にする。
(本日の会計:13,772円/2名 加茂鶴2本・税・サービス料込)
来月は、もし行けたら「白フグ」を食べよう。
7月あたりから冬の河豚コースのための造り込みに使用する廉価なソレは、
表面だけ炙って切り身にしてもらうと下手なトラフグより美味しかったりするのだ。
トラフグより安くて美味いものなら、見逃せるワケがない・・・・でしょ?(^_^)
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