中国茶ブームも一応の落ち着きを見せたものの、横浜中華街では中国茶を飲ませる店が増えている。
良質なお茶が飲める店として有名だった店が客慣れして乱暴な商売を始めたり・・という事もあるが、
茶藝館は軒並み客入りも評判も良いようで、順調な経営をしているように見受けられる。
そんな中、「悟空」(茶葉等販売)が新店舗の2階に喫茶室を作った。
悟空茶荘
横浜市中区山下町130番地
045-681-7776
喫茶/12:00〜21:00
LO:フード/20:15 お茶/20:30
定休日:毎月第2火曜
上海レトロというテーマで作られた店内は、懐かしささえ感じさせる落ち着いた空間で、
ちょっとお茶を楽しむにはピッタリの空気が流れていた。
できた当初から気になっていた店なのだが、
ちょうどその頃は「三希堂」(茶藝館)の変化にがっかりしていた時期。
どうせロクなもんじゃない・・・と勝手に決めつけていたが、
夕方にちょっと時間ができたので良いチャンスとばかりに訪れてみたら、
想像以上の「空間の気持ちよさ」が待っていた・・・という事だ。
日が沈んだ後の青い色が窓から見え、対照的に室内の白熱球の色とうまくバランスされて見える。
室内の木を主体とした調度や赤い紙に書かれたメニューなどが、白い壁とともにとても綺麗に見えるのだ。
何だか良くできたスタジオセットの様にも見えるが、
他に客がいない事もあって、凄く贅沢な空間を独り占めしているように感じられる。
「なんだ・・いいじゃん・・・ここ・・」と呟きながらメニューを見れば、阿里山(台湾)が800円である。
最初は王道・・とばかりオーダーしたところ、ガラスの蓋碗でサーブしてくれる。
テーブルの上にはサーモスタット付きの電熱ポットが備えられ、
何度でもお湯を注ぎ替えられるのが嬉しい。
葉の開き方も香りも楽しみながら、何度も湯を足してお茶を飲む。
800円なりの味ではあるが、美味しいと感じられる。
そして、ゆっくりと時間を楽しみながらお茶を啜る心地良さを、
ここのところすっかり忘れていた・・・と気がついた。
いつもこれくらい空いているのなら通ってもいいな・・・と思うが、残念な事に高価なお茶はメニューには無い。
100グラムとかは恐ろしくて買えないお茶でも一杯分なら手が出るのだから、
そういう意味では高価なお茶も用意して欲しいところだ。(贅沢な注文だが)
ただ、珍しい物・・という意味では、鴛鴦茶が存在している事が上げられる。
このお茶は、紅茶とコーヒーのブレンドという変な飲物なのだが、これが妙に美味しい。
香港ではどこにでもあるポピュラーなものだが、日本ではまずお目にかかれない・・・。
中華街では他に一軒、飲める所がある・・と聞いているが、きっと香港で飲む物とは違った味だと想像する。
何故なら香港で飲むソレが美味しく感じるのは、使っている牛乳が美味しくてコクがあり、
現在の日本で手に入る物とは本質的に違うように思えるのからだ。
阿里山も800円レベルの茶としては平均的の味だから、他のお茶も合格点は取れるだろうと思う。
という事は、この空間があって・・と考えれば上等って事。
すっかりくつろいで、お茶を楽しむ事ができて幸せだった(^_^)
帰りに1階で雑貨を眺めて驚いた。
香港の有名な喫茶店「ダイパイトン」で売っている鴛鴦茶(テョーバッグ)が置いてあるのだ。
去年香港で飲んでその味にハマってしまったヤツのために土産として買ってきた物が、ここにある・・・・。
なんだよぉ・・・「灯台下暗し」もいいとこじゃん・・・・
中華街、なかなか侮れません(^_^;)
|