残念ながら、トルコに負けた日本。
しかし、同じ極東の韓国には勝ってもらいたい・・・と思いながら、いつものランドマークへ向かう。
今日は、主要メンバーの仕事の関係で一週遅れとなる「壁の会」をがあるのだ。
いきなり70階の「シリウス」に入って驚いたのは、ガラガラに空いている事。
でもそうかも知れない。
サッカーを見るためにテレビのある所へ向かう人が多い・・と聞いているから・・・・。
今月のニューカマーは、「竹鶴21年ピュアモルト」「ダルモア・シガーモルト」の2本。
何と初の国産モルトの登場である。
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝の名前を取った「竹鶴」は
国産ウィスキーとしてはあまりに有名だ。
平成12年11月に世に出た「竹鶴35年」は、国産では最長貯蔵のブレンデッドウイスキーとして一躍注目を浴びた。
美味しい・・という噂は何となく聞こえていたが、
それがモルトではなかったため食指が動かなかった事は記憶に新しい。
勿論ニッカが「余市」や「仙台」といったシングルモルトを作っている事は知っていたが
バーでその顔を見る事は少なく、敢えてそれを飲もう・・という気にさせるような誘惑も無かったから、
試すチャンスも勇気も無かったのだろう。
ところが、世界で唯一のウイスキー専門誌「WHISKY MAGAZINE」16号の
「THE WORLD'S MOST DEFINITIVE WHISKY TASTING(3 continents,
47 whiskies, 62 judges)」において
「ニッカ シングルカスク余市10年 59.9% 」が堂々のトップを飾ったと聞けば、とても気になってくる。
何故なら、2位に「サントリー 響21年 43%」3位に「ザ マッカラン グランレゼルバ 40%」
同点4位で「グレンファークラス30年 43%」「ハイランドパーク18年 43%」
6位「エライジャ クレイグ12年 47%」7位「ブラントン 49.5%」8位「グレンリベット1972 54.29%」
9位「ザ バルヴィニー ポートウッド21年 40%」10位「アードベッグ・プロヴナンス1974 55.8%」
というとんでもない酒を押しのけての一位なのだ。(サントリーの酒は認めたくないが(^_^;))
品質に拘りすぎる竹鶴がサントリーを飛び出して作ったメーカーで、
彼の名前をつけたピュアモルトを出す・・という事は、
相当な自信作でありまた素晴らしいはず・・・。
そんなイメージを持って、友人の入れた「竹鶴21年ピュアモルト」を飲んでみる。
(折りがあったら試してみたかった・・・と)
実に上質な、アイラっぽいモルト。
ブラインドテストをしたら、間違いなくアイラ系のモルトだと答えてしまう味。
強いて言えば、ピート香が穏やかで少しスパイシーだが、華やかで果物のような香りも見える。
そしてさらっと消えていくフィニッシュが、バランスの良さを見せている。
オイオイ・・・
これって、国産?
と尋ねたくなるような素晴らしいモルト。
なんともはや、恐ろしい酒が出てきたものだ・・・・。
すっかりその毒気にあてられた私は、自分のペースに戻すためにいささか苦労した。
ダルウィニー15年をロックからストレート、マッカラン25年をストレートでじっくり楽しんでから、
2階の「ロイヤル・アスコット」へ移動する。
それでもまだ、アイラのイメージは強く残っていたので、グレンリベット26年をストレートでもらう・・と、
やっといつものイメージに戻ってきた。
酒も人も新しい出会いがあるから面白い。
知らない風をくれるのも、新しい出会い。
吹かれて動いた後の風景に、求めている答えが散らばっている事はよく有る事。
充分に酔いが廻った後は、シガリロとシガーモルトで話を楽しむ。
この時間を作るために「頑張らなくっちゃ・・・」と呟くメンバーは、
いつまで経っても大人になりきれない若造の顔を楽しんでいたりする。
壁が伸びる(本数が増える)・・・という事は、それだけ余裕があって「バカ」になれている証拠。
そのバカになれる「切り替え」が「元気の元」にもなっている事を知っているから、
こうやって毎月集まってしまうのだろう・・・と思う。
不景気をぶっ飛ばすには、やっぱり明るさが必要だ。
「元気でねぇ・・・」と呟く前に、前向きに考える方が利口だと思う。
歳を食うと「バカ」になれなくなるヤツも多いが、歳を食った方が「バカ」が似合う事も事実だ。
そして妙にカッコ良く見えたりする事もある。(誤解も多いが)
「いよいよ、モレンジの21年・・・・届きそうです」
バーテンダーがニコニコ笑いながら教えてくれる。
こっちもヘラヘラしながら、まだ見ぬ新しい酒の顔を想像する。
どうやら当分この「バカ道」は続くようだ・・・・(^_^)
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