夜に小腹が空いて、何か食べに行こう・・と思った。
そんな時は新規開発。
で、あてもなく反町駅近辺を歩くと気になる店がある。
「楽」
反町駅改札口から見て目の前の1国を渡り、
線路沿いに東京方向へ歩くと左側にある。
間口の小さい店で、味のある書が看板になっている。
それに惹かれたのは、ただの飲み屋では無い・・
というメッセージに読めたからだ。
朝5時までやってる・・と書いてあるので入ってみた。
着物姿の若い店主が一人で店を仕切っているらしい。
相模湾のシラス、チャンジャ豆腐、豚の角煮、焼天豆・・・
和風の小料理が色々揃っている。
価格的には500円前後から高めでも1000円以下といった感じなので、
料理一品あたりの量は少な目であるが、軽く飲むのには丁度良い。
冷や酒を貰いながら、箸をつけていく。
味的には普通の部類。
ただ、シラスにちょっと乗せた海苔のように、
風味を増す小技が効いている。
日本酒は、今日のお薦めに載っている物しか置いてないのが寂しい。
ここでも日本酒はあまり出ないのかも知れない。
今回面白かったのは「焼天豆」
サヤごと炙ったソラ豆が、適度に暖まって美味しい。
この皮を食べる、食べないで話が盛り上がった事があったな・・と
一人にやつきながら、皮ごとバクバク食べてしまう。
最後に「焼きおにぎり」を頼んだら、大きめなおにぎりをじっくり焼いて出してくれた。
素朴な塩にぎりの炙りは、御飯の美味しさを纏って飢えていた気持を埋めていく。
今風の若者が無理して着物を着ているようにも見える店主だが、
落ち着いた空気を作っているあたり、可能性がある。
味はウルサイ客がつけば、徐々に鍛えられていくだろうし、
この焼きおにぎりやソラ豆を食べる限りセンスは悪くない。
酔っぱらってコンビニで一個だけ買うおにぎりも好きだけど、
こんな店でちょっとだけ摘んでシメるのも有りだな・・と嬉しくなる。
若者が、和をテーマに奇をてらわずに頑張る姿が嬉しいのは、
薄っぺらな文化の内側を見ようとする人間も存在すると確認できるからだろう。
もう少し通ってレポートできるようになったら、
リストに載せるか・・と思いながら帰路についた。
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