中途半端な時間に帰宅し何かを作る気力も無いから、
どっかでメシを食おう・・と外に出る。
そういや、以前ちょっとむかついた店があったなぁ・・・・。
其処へ行ってみようかぁ?
と自問自答。
で、向かったのは例の「KOTOHOGI」だ。
店は9時を回っているのに結構混んでいて、座る場所を選ぶ余裕はなかったが、
以前居た態度の悪い(と言うか気の利かない)ウェイターの姿は見えず、
代わりに若い男の子と女の子がアテンドをしてくれた。
店長の姿は見えないが動きが良い、という事は指示されずに動ける・・という事だろうか。
座ってすぐ、メニューを持ってくる。
こりゃ随分前と違うぞ・・・と思いながら、とにかくサーブの時間を計ってみる事にした。
最初に飲物をきかれるので、「ラガー」を注文。
オーダーを聞いてから5分でビールがやってくる。
そしてすぐ「お通し」が出た。(タコとジャガイモのマリネ)
これが普通のテンポだよ・・・と呟きそうになりながら、本日のお薦めメニューを見る。
あまり以前と変わった感じがしないので、今日はつまみを2品とパスタを食べる事にした。
「天然鰻のスモーク」
「マグロとアボガドの生春巻きKOTOHOGI風」
「釜揚げシラスのペペロンチーノ」
相変わらず客層は若く、お上品な人達が多いが、加えて酔っぱらって大声で話してる輩も居る。
しかし、以前と違って、ホールスタッフが良く動く事動く事。
4月25日に入った時と同じ店には見えない位の変化だ。
誰かの視線を感じてゆっくり店内を見渡すと、前回詫びを入れた店長がコチラを見ている。
どうやら、その日の事を思い出したようだ。
オーダーをしてから10分キッカリに出たのは鰻のスモークだった。
やればできるじゃん・・・・と思いながら箸をつける。
途端に、先日のキャンプを思い出すような焦げた匂いが口の中に広がった。
半身を小口に切り山葵で食べるスタイルだが、スモークのかけすぎでちょっと頂けない。
鰻は天然と言う割りに滋味は感じられず、ちょっと拍子抜けした感じだった。
そして10分経った時、生春巻きが出る。
まるで計ったようだ・・・と思いながら、適度な間隔に少し安堵した。
前回はこの時点でほぼ一時間経っていたのだ。
ビールが無くなったのでグラスシャンパンをオーダーする。
まぁまぁの味で、管理が悪い痛み方は無い。
ここのワイン系の飲物はしっかりしていると判断して良いようだ。
生春巻きは、カリフォルニアロールのライスペーパー巻きといった感じ。
ただ塩の加減は良く、皿にデコレーションしてある醤油ベースのソースも良い感じではある。
甘酸っぱく辛いタイ風のソースが欲しくなるのは生春巻きのイメージにソレがあるせいだが、
ライスペーパーでなくてはならない拘りは特に感じられない。
まぁ、つまみとして食べるには、穏やかで良い・・・という感じだが。
飲物をグラスの赤に替えた。
カリフォルニア系の味。
悪く無い。
さて、メイン?となるペペロンチーノはどうだろう・・・・?
ところが、これは10分経っても出てこない。
つまみが二皿入っているから良いが、
待たされる時間次第によっては、また怒りモードに突入するぞ・・・。
そして生春巻きが出てから20分キッカリで、ペペロンチーノが出てきた。
良い匂いがしてる。
うまくガーリックを処理した証拠だ。
パスタの上に揚げてカリカリになったシラスがトッピングされ、
パスタには茹でたシラスが絡めてある。
どれ?・・・と食べてみて驚いた。
塩加減が良く、しかも海塩系の味がする。
かなりマトモなペペロンチーノだ。
残念なのは、必ずしもシラスが良い効果をもたらしていない事。
アンチョビを少し使う店があるが、その効果をシラスに求めたのだろう・・と想像できるが、
食感と味がペペロンチーノ独特の風味と合っているように感じられない。
残念だ・・・と感じた。
つまり、良い物があるのに飾り過ぎて失敗している、と思えるのだ。
しかし希望はある。
チョイスによっては美味しい物もある・・と予想できる腕がシェフにある事は確実だ。
だから、コミュニケートできて通えば、好みの味が得られる可能性が見えるのだ。
どうやら、前回感じた居心地の悪さや阻害感、そして料理のアンバランスさは、
単に忙し過ぎた日に見えてしまったボロだと言えそうだ。
(そんな日でも、ちゃんと仕事をするのがプロだと思うが)
しかし、やっぱり異質な私のスタイルは、この店においてどう見られているのだろう・・・。
そんな下らない事を考えながら、レジに向かった。
スタッフがちょっと待ってくれ・・と言いながら店長を捜しに行く。
レジ位スタッフがやってもよかろう・・・と思いながらしばし待つと、店長がやってきてレジに入る。
その丁寧な応対と、爽やかな笑顔を見れば、横浜流もわきまえた商売をしていると解る。
(5千円を超える程度の支払いをした)
まだまだ発展する可能性はあるが、少しばかりコストパフォーマンスは悪い感じ。
連れて行く相手によってチョイスに入れてもいいかな・・という分類できる・・・か。
二度と来ない・・という気分にならずに帰れる事だけでも今日は収穫有り、
と思いながら出口に向かうと店長が声をかけてきた。
「今日は雨ですから、バイクでいらっしゃってないですよね?」
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