カーナビがついている・・・・。
小松空港で受け取ったレンタカーには、メーカー装備のカーナビが装備されていた。
これなら、集合地点に辿り着けるだろう・・と少しばかり安心するが、
私は今まで一度もカーナビを使った事は、なかった。
目的地を設定しろ?
知っているのは住所だけだぞ・・・。
ありゃ?
なんて事はない・・・・、目的地は住所で設定できるのだ。
そんな事で、カーナビに任せたドライブが始まった。
距離に応じて3回曲がる方向を指示するカーナビ。
わざとミスコースしてみれば、次のコースを検索する便利なもの。
しかし、何となく場所が掴みにくい表示と、細かい道まで載っていない地図によって、
何処を走っているのか解らない不安はずぅっとつきまとっている。
あまりに短時間で石川県に着いてしまった結果、遠くに来た実感は湧かない。
まったく地理が解らなくても、カーナビがコースを指示してくれる。
だから、純粋に景色を楽しむ事は充分にできたのだが・・・・。
これって、良くない。
何故なら何処へ向かっているのか、想像しなくなる。
見ているのは、家屋の屋根の角度が険しい・・・とか、
森の色が違う・・・とかだけ。
どんな道を走るか・・と考えるわけでもなくその特徴も覚える気になれないのは、
自力で帰る気が起きないからだと思う。
便利になればなるほど、人間はバカになる・・・とはこの事だろうか。
案の定、目的地に近付いて、看板をあてにカーナビを無視して走り出せば、
途端に方向に対する予測や分析等、想像力が働きだした。
バーベキューガーデンという場所なら、だだっ広い田圃の真ん中に有るわけはない・・・とか、
キャンプサイトがあるはずだから、そこの川沿いにあるのではないか・・・とか。
見知らぬ場所を走る時は、そんな想像が楽しいもの。
それを機械任せにする事は、楽しみを自分から捨てている事にならないだろうか・・・。
(でも、便利なんだよなぁ・・・)
「人に会うだけ・・・」
それは、その意味を伝え難いが、
意志はなんとなく伝わる言葉だと思う。
この日ここで、誰かに会うために飛んでくる意味は、
生きていく上で必要な「出会い」の中にある。
そして今回の目的は、まさに「人に会うだけ」なのだ。
どんなに金があったとしても、どんなに時間があったとしても、
「出会い」は決して増えてはいかない。
何故ならそれは、気持が通じる上で成り立つものだからだ。
自らが求め、動かない限り、「出会い」が増えるわけはない。
勿論それは「対等な関係」を前提にした上で・・・という事でもある。
9回目(今回)を持って終了となる「エンジェルダスト・北陸ミーティング」に参加しようと思ったのは、
すでに8回も続いているって事実と、仲間に会える楽しさがあるからだ。
そこには、こちらの想像を超える「出会い」が待っている・・・と予感するからだ。
そして私は、
目的地についた途端、
酒を囲んで語り合っていた。
勿論、初対面の人達と一緒に。
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