「やっぱこの時期は穴子でしょ・・・」
「そかな?」
「白焼き・・とかね」
「じゃ、寿司でも行く?」
「禁句!!」
というシゲとのメッセンジャー会話の後、急遽「山田屋」ツアーが決定したのは一昨日の夜。
5人掛けのカウンターを4人で占領する暴挙に発展してしまった結果、スタートは18時となった。
(3人だったらもう一組入れられるけど、事実上の借り切りだから早めに・・・と言われた)
「山田屋」初体験参加者2名にとっては、その贅沢な空間は過ぎたものに見えたかもしれない。
しかし味だけではなく、居心地も大事なポイントと考えている私にとって、
ここは3組は入れないプライベートスペースのようなサイズ、だからこそ気に入っているのだ。
今日は、穴子の白焼きを入れてくれ・・とだけ頼んでお任せになったが、
スタートは中トロから入ってきた。
尻高*お通し
中トロ
タコの吸盤の串焼き
タコの握り
ツブ貝
平貝
スズキ
大トロ
穴子の白焼き
平目の縁側
車海老
出汁巻き卵
雲丹
と出て、ここから先は足りない人がその分をオーダーした。
私は、
鯛
墨烏賊
ネギトロ巻(何か巻いて・・・と頼んだらコレが出た)
今日、美味く感じたのはスズキ、ツブ貝、平貝、縁側、墨烏賊、
あと握れないくらい脂ののった大トロと、ネギトロ巻といった所。
旬の穴子やタコの吸盤はなかなかの焼き物で、出汁巻卵は焼きたての熱々フワフワが嬉しかった。
抜群と思えるネタばかりではなかったのが残念だが、
平均的に飢えていた味を揃えてもらったようで、幸せイッパイ、酒も進む・・・と(^_^;)
しかし今日は、見事にむさ苦しい男4人のパーティー。
話題は千々に乱れるがスピードの話から車の話題になった時、
珍しく板長が絡んできた。
「首都高速内回りを何分で走る・・・・」
「筑波サーキットを1分切りたい・・・・」
オイオイ、そんな趣味が板長にあったの・・・?
と初めて聞く話に驚きつつ、嬉しくも思う。
バイクに乗る人だ・・・と彼は私の事を理解していたが、
車の競技の話や乗っていた車の話はした事がなかったから、
彼としてもそんな趣味を私が持っている・・とは想像できなかったろう。
そりゃそうだ。
この店に誰かを連れてくる場合は、
メチャクチャ食べ物の趣味が合う人間と純粋に味を楽しみに来る時か、
会社関係でのグチ聞き&調査&調整を兼ねたお疲れさん会か、に終始していたからだ。
Nコロでジムカーナをやった・・とか、スカイラインGTBのトルクが良かった・・・とか、
板長もツケ場の椅子に腰掛けてリラックスしながら語ってくれる。
その事は、個人的な話ができる間柄になれた・・・という喜びも与えてくれた。
修行に入って車遊びが出来なくなった・・・と語るが、彼の年齢を考えれば相当に進んでいた事は事実。
その時代に若造が車に乗る事は、相当な贅沢であり大変な事だったはずだから、
まさに車漬けの日々を過ごしていた・・・と想像できる。
チューニングも改造も自分達でやるしかなかった時代に、サーキットまで出かけているのだから。
そういう意味ではとんでもない先達なわけで、恐れ多い先輩となるわけだ。
今度は「板長」と呼ばずに「先輩」と呼ばせてもらお(^_^;)
勧めてくれた墨烏賊を出すとき、海の温度がオカシイ・・・と彼は言う。
烏賊を追ってやってくる魚が入らないから、旬のネタも揃わない・・という彼の論法が、
とても科学的で解りやすいのはいつもの事だ・・・が、その考え方のベースを見たような気がした。
結局この日は、最初に生ビールを一杯づつもらった後、加茂鶴大吟醸を4合を空け、
最後にメゴチと雲丹を使ったお吸い物をもらって終了となった。(税込34,074円/4人)
腹いっぱい好きな物を食べるのは・・・・やっぱり幸せの一つだな(^_^)
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