「海老チリ食べた〜い」とメールが来て、初めて気付く。
中華街で、真っ当な「海老チリ」を食べた事が無い・・・事に。
そりゃそうだ。
そりゃそうでしょ?
日々ランチを食べに行っても1000円を超えるオカズを取ってシェアするなんて裕福ではないから、
所謂一品料理はあまり詳しくなれないのだ・・・・(;_;)
まして行きつけの店のオバサンに「東京モンは海老チリと酢豚しか知らねぇ・・」と毒づかれて久しいから、
「海老チリ」を極めよう・・という気にはなれなかったのも事実だ。
しかし、知らない事を調べたくなる・・・悪い癖がムクムク湧いてきた。
で、歩いてみたのだが、コレは難問だった。
中華料理は「四つ足はテーブル以外全部食う」とまで言われる幅広い物。
海老料理専門店なんてあるはずもない。
どの店にも「エビチリ」は存在しそうな勢いはあるのだが、こだわっているようには見えない。
要するに「エビチリなら何でも良いんでしょ?」と店が言ってるように感じるのだ。
さぁ困った。
何処に行ったら美味い海老料理が食えるのだろう・・・。
「困った時は王道」とばかりに、一番高級と言われる「聘珍楼」へまず行ってみた。
あの周富徳が総料理長だった頃、
中国人を唸らせたマヨネーズとジンを使った海老料理を出したのはあまりに有名だったからだが、
メニューを確かめると不思議な事に海老料理はいたって少なかった。
(海老の種類表示も無い・・・と)
でも、裏通りの美味い店を開発するヒマも金も無いから、
値段(1500円以上3000円以下)と種類表示がメニューに載っている点を基準にして、本通りを探してみた。
すると、あるんだね・・・そういう店が。
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「珠江飯店」 045-681-4136
横浜市中区山下町164
11:30〜21:30(LO21:00)第3火休
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伊勢エビ、車エビ、芝エビ・・・とちゃんと種類が明記された料理が揃っていて、値段的にも手頃な感じが良い。
しかも、飲茶で有名な「菜香」グループの本店となれば、味はまず大丈夫だろう・・と想像できた。
メールをくれた友達と落ち合い、雨の隙間を狙って「珠江飯店」に突入した。
予約なんて取っていないし、コースなんかを食べるつもりもない。
海老を使った中華料理がご所望だから、余計な料理も個室も必要ないのだ(^_^;)
「この際だから、海老づくしにしよう!」とワケの解らないノリの元オーダーしたのは、
中華料理の常識もへったくれもないモノだった。
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「車海老のチリソース煮」(6個)2100円
「車海老揚サウザンアイランド風味」(6個)2400円
「空芯菜の炒め物」1500円
「車海老と香味野菜の炒め物(塩味)」(6個)2100円
そして
「中華街ビール」650円×2本
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最初に頼むのは念願の「海老チリ」。
メニューをチェックすると、芝エビと車海老の物があるが料金は同額。
と言う事は、海老のチョイスには自信があるって事なのか、よっぽど良い芝エビなのか・・・。
車海老は、尻尾がコバルトブルーの綺麗な海老だが、
個人的には生で食べるより火を通した方が、甘みが感じられて好きな物。
「山田屋」では生を出す時でも、殻を剥いたらさっと湯をかけすぐ氷水で冷やす技を使う。
こうすると身が縮まず雑菌も死に(湯と真水で海の寄生虫は死滅する)、安全かつ美味しくいただけるのだとか。
そうして食べる生の車海老は、踊りと称する剥きたての物より柔らかく美味しいのだが、
ボイルした車海老は生より海老らしい香りと甘みが解りやすく感じるので、加熱した料理に生きるだろう・・と思っている。
で、車海老をチョイスしたら、その食感と味には正直言って驚かされた。
広東系の店だからか、チリソースは玉葱の甘さが生きた辛すぎない物。
サウザンアイランドソースを使うのはマヨネーズ系の変化だが、その味も出しゃばり過ぎていない。
塩炒めは少し塩がきついが、海老の食感が野菜との差で強調される優れ物。
そのどれもが、車海老のプリプリと甘さと合っていて、
強めのソースに負けない海老料理になっていたのだ。
うわぁ・・・と思ったまま、声も無く食べまくる・・・・。
しかし、さすがにこれだけ食べると主食に困る(量の問題)。
ビールと料理だけでもかなりお腹が膨れてしまったのだ。
でも、一つだけ確かめたい事がある。
それは「蝦餃」
香港の飲茶では必ず食べる海老の蒸餃子、「蝦餃」(ハーガウ)。
米の粉で作った皮で海老のすり身や丸ごとの海老を包んでセイロで蒸した物。
点心が売り物の「菜香」グループの本店なら、「蝦餃」もまともなはず。
という事で、主食替わりに一つだけ頼んでみる事にする。
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「海老蒸し餃子」(4個)560円
「ジャスミン茶」(ポット)200円
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・・・・・参った。
美味い。
ひょっとしたら、大珍楼より美味しいかも知れない・・・というか、
香港で食べる「蝦餃」に近いかも知れない。
車海老をこんなに食べちゃったから、他の海老ではガッカリする・・・とほざいていた友達は、
「前言撤回(^_^)」とメロメロになってしまった。
味が濃く、ご飯にかけて食べる方が美味しいというイメージしかなく、
海老もよく解らない感じのモノしか食べて来なかった自分は、
まともな海老料理を侮っていた・・・・と深く反省した。
しかし、車海老・・・・・・美味かったなぁ(爆)
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