中途半端な時間に仕事が終わって、久々に夜散歩モードになったから、
行きつけのバーにも寄らずに中華街をそぞろ歩く。
さすがに連休最終日の夜、観光客の数も激減していつもの休日の夜より空いている位。
しかしこんな日は中華街では食事をしない。
それは、疲れ切った料理人が美味しいモノを作るワケがない、と知っているからだ。
中国茶の「緑苑」が大きくなり、隣の茶藝館「茗香閣」も倍の大きさになっている。
ブームに乗って儲け幅の大きい高級茶をうまくプロデュースできた結果が、形になって見えたのだろう。
実際ここのお茶は、高級なモノほどマトモになっていくように思う。(中国本土の茶がメイン)
関帝廟の側にできた悟空の新店舗も2階に飲茶スペースを作っているが、
鴛鴦茶(紅茶とコーヒーのミックス)が存在するらしい。
お茶好きの自分としては、美味しいお茶に出会えるチャンスが増えて嬉しいのだが、
ブームはそのマナーを蔑ろにしがちなのが悲しいところ。
だが、最近は気にしていない。
中国の友達より直取引をしてしまうから・・・・(^_^;)
そんな事より飯でしょ・・・と中華街を抜け、日本大通を横切って驚いた。
車道より歩道(両端の)の方が広いんじゃないか?と思う程、新しく整備された歩道は綺麗で広かった。
何だか無駄な広さに見えるのだが、地下駐車場の兼ね合いもあると聞く。
しかしなぁ・・・・。
関内地区を横切って弁天橋にでるとなんと川沿いにボードウォークができている。
潮が満ちている時間だからかボードと面位置に近い程水面が高く、気持ち良さげに見えるじゃないか。
当然そこへ足を向けてみる。
新しい木の香りと、独特の木の音。
そして心地よい弾力が歩く度に伝わってくる。
水面に近い事と、普通では見えない高さから見る風景が新鮮な事で、一発で気に入ってしまった。
桜木町駅前の歩道橋を越えるよりよっぽどホッとできるのだ。
スロープを上がってみなとみらいへ出た瞬間、気がついた事がある。
それは地面の固さ。
石の硬さ。
そしてその瞬間に理解した事は、贅沢を感じる一つの要因となる気持ちよさは、
実はこんな柔らかさにあるのではないか・・・という事。
土の上を歩いた時の気持ちよさ。
ボードウォークの弾力。
ペニンシュラで体験した厚い緞通の柔らかさ。
新品の靴が持つ体重で沈んでフィットする感触・・・。
柔らかいけどしっかり存在のある弾力と感触は、
色々な場面で気持ちよさに繋がっていた・・・と解ってしまった。
気持良いと感じる瞬間、どんな刺激を受けているかを想像すれば、
例えばバイクで飛ばしている時の風の強さだったりタイヤの接地感だったり、
美味しさを感じる時の舌触りだったり、鼻腔をくすぐる香りだったり、
大好きな人の手の感触だったり、耳に転がる声の響きだったり・・・・・。
石の上ばかり歩いていたから、きっとこんな感触に飢えていたんだ。
だから、せめて酔っぱらってフワフワしたかったのか・・・・(爆)
70階のシリウスのカウンターに座り、帰宅渋滞にはまっている首都高を眺めながら杯を干す。
今宵は、さしもの天空の酒場も空いていた。
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