サイト内検索
AND OR
Photo Essay
Text Essay
Desktop Gallery
Guestbook
Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

看板

「看板って何ですか?」と尋ねられ、少し戸惑った。

*看板 カラーとかエンブレムとかも言う、背中に貼り付けるパッチの事。
 チームのマークやロゴ、活動地域や本拠地を示すパッチ(ボトムロッカーと呼ばれる)がフルセット。
 一気に全てのパッチを与えないチームもある。
 (HAでは、準構成員になるとボトムロッカーだけが与えられるとか)

それは、メンバーの証。
だから何?ときかれても、どう答えて良いかわからなかった。

彼は、あるクラブの看板を背負うライダーだから、
何故そんな事をきくのだろう・・とちょっと不思議に思った。

話をしているうちに見えてきた事は、
新しいメンバーを迎えるにあたっての内紛があって、
気にくわない連中がクラブを抜ける・・・とかどうとかの問題が起きたって事。

彼は、背中に背負った自分のケジメ(看板)を大切に思い、その重さを意識して走り続けている。
だから、たかが新メンバーについての意見交換ごときで、
同じマークを捨てると言ってのけたメンバー達を許せなかったらしい。

確かに、目を引くモノ。
明らかにコッチ側だと、意味するモノ。

だから私は
「生き方を象徴する記号だ」と、
彼に伝えた。

生き方を象徴できるもの・・・・
それは簡単に言えて説明に困るモノだろう。

確かに、看板を単にチームマークとしてだけで捉えている人もいる。
そんな人にとってはユニフォーム代わりの存在でしかない。
チームが嫌いになったからユニフォームを脱いで抜ける・・・という事は、
そんな人達にとっては当たり前の事。
その意識のズレが価値観の相違を生んで、彼の神経を逆撫でしたのだろう。

看板を背負っていると、様々な挑発を受ける。
警察や車は当たり前で、ライダー達からも「ご愛敬」が飛んでくる。
それを受け流しながらマイペースで行く為には、どっしりとした自分がないといけない。

かなりの距離をかなりのペースで走る彼には、既に自分のやり方が出来上がっている。
ただ、やんちゃな性格を封じる為に、仲間への責任を接着剤にした看板を背負い、
生き方(やり方)を固定する必要があったのだろう。

ユニフォームとして捉える輩は、そのチームの持つイメージにプライオリティを感じている。
だから、彼等に仲間意識は無く、責任感なんてものも存在していない。
だから、棲みにくくなったチームには魅力がなくなるのだ。
だから、そんな輩を仲間と思う必要なんてない。

ライダーは基本的に個。
群れて走っていても、基本的に一人きり。
それを強制的に群として固める事は不可能だ。
長続きするチームは、集団としての行動を少なくしているはず。
(この場合の長続きとは、何年の類でなく何十年単位でのモノを言う)

生き方として背負う気持があるならば、同じ生き方をしている者とだけ連めば良い。
そしてその仲間達とは、きっと一生変わらずに走っていけるだろう。


じゃあ、ユニフォームが擦り切れて投げ捨てる連中は?

きっと、バイクも投げ捨てているんじゃない?

 
 
サイト内の画像・テキスト等の無断利用・転載は禁じます。
Hisashi Wakao, a member of KENTAUROS all rights reserved. / Web design Shigeyuki Nakama
某若夢話は横浜飛天双○能を応援しています。