食べ過ぎだとわかっていても、食べたくなるものがある。
今日、そんな感情に支配されたのは揚げ物だった。
できる事なら串揚げ。
それを肴に生ビールをグイッ・・・といきたい。
串揚げで美味しい所は数軒あるが、関内の「串の坊」という店のように、
座ったらストップをかけるまでひたすら揚げてしまうタイプは、食べ過ぎて後で腹にクる。
(使ってる油のへたり具合でかなり左右されるが)
天ぷらや串揚げ、豚カツにフライ・・・・。
歳食ったなぁ・・・とは思うが、それらを食べるには勇気が必要になってしまった。
(食べる勇気、食べ過ぎない勇気、ウェイトコントロールも狂う)
同僚と「一緒に飲もう・・」という話が前からできていたから、
それなら串揚げ屋に行こうと提案した。
彼も揚げ物は大好き人間だから、すぐ合意。
反町の揚げ物屋に行く事になった。
「揚げもん」
あまりに単純明快な名前を持つその店は、
カウンターと小上がりに10名ずつ座ればいっぱいになるサイズ。
ネタそれぞれを頼むの事もできるが、10本セット(1400円)で頼めば、
こっちのペースを見ながらお任せで出してくれる。
2種類のソースとポン酢、そしてユズを入れた塩と山椒を入れた塩を
ネタに合わせて使うスタイルだが、最初に出してくれるキャベツの葉を
ソースで食べるのが好きだったりする。
(キャベツはソースでしょ?)
本日の一本目は海老だった。
衣は薄くカリッと揚がり、中の海老は軽く暖められた程度のデキ。
天ぷらにも似た揚げ方が、同僚にヒットした。
「ウメッ・・」
よしっ・・・、連れてきた甲斐があった(^_^)
一緒に飲み食いする奴とは、美味しさを感じるポイントが一緒であって欲しい。
(相手を気遣って、好きでもない物をにこやかに食べる事なんてできない)
ここは、素材にあまり火を通さない揚げ方が特徴で、
衣も薄くして、軽く食べられる事を心掛けている。
ナンコツ、小タマネギ、レンコンの穴にカラシを詰めた物、白身魚、烏賊、
鶏肉+ウズラの卵、小餃子、アスパラベーコン巻、ささみ梅ソース付き、
と出たが、充分なボリュームがあった。
その間、ビールだけで足りるわけがない。
日本酒は「影虎の水が〜」という説明を受けた物をオーダーして、良い調子になっている。
そして悪魔の囁きが・・・・
「もうちょっと頼まない〜?」
そしてさらに5本ずつ食べる事になる(^_^;)
油は、美味しいと感じさせる物。
特に身体に悪そうな油ほど美味しかったりする。
(炒飯や豚カツはラードを使ったモノの方が絶対旨いと思う)
ふたりで生ビールを一杯ずつと日本酒3合を飲んで、
15本お任せで揚げてもらって8700円を下った。
「何点くれる?」
と同僚に訊くと、
「80点」
と答えた。
これって凄い事。
誰かに知らない店へ連れていかれて感想を尋ねられたら、
誘ってくれた行為に対して少しは加点するもの。
60点と答えたら普通、70点と答えてまあまあ、
だから80点というのは、気に入ったって事になる。
作ることも食べる事も大好きな彼が美味しいと認めるのは、
連れて行った自分としても嬉しい。
美味しい物を食べさせる店は、総じて閉める時間が早い。
この店もだいたい9時には閉めてしまう。
だから、グラスが空になったタイミングでとっとと出て、「ロブロイ」へ向かう。
今夜はクエルボを使ったテコニックから飲む事にしよう。
明日、自分が生きている保証は無い。
30代前半の人間が死んだ話をきかされて、あらためてそう感じる。
「走りたい時に走り、停まりたい時に停まり、
食べたい時に食べ、寝たい時に寝る。」
それが私の所属するバイククラブのルールのようなもの。
それを実行するには、相当の覚悟が必要となる。
「食べられる時に食べる」事も、深く考えれば大事な事。
二度と出会えない味がたくさんあるから、それを逃さない事は重要だ。
食べられる体調を維持していなければ、食べる事すらままならなくなる。
だから、「食べられる時」とは実に難しい「時」になる。
「美味しい」と感じる時、生きていて良かった・・・と思う。
そして、とても幸せを感じる。
さて明日は、何食べよう・・・
|