サイト内検索
AND OR
Photo Essay
Text Essay
Desktop Gallery
Guestbook
Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

魚系

反町の商店街にあるラーメン屋「麺匠覇隆」

下町の雰囲気にはそぐわない程カッチリした外観。
自家製麺をアピールするためか、外から製麺室が見えるようになっている。

ラーメン博物館の専務がプロデュースしたと聞いたのは、ロブロイのマスターから。
きっかけは、ロブロイにその店のスタッフが飲みにきていた事だ。

人工調味料を一切使わない事はコスト高を招き、その上物足りなさをも
感じさせてしまうと嘆いていた彼らは、若者のパワーでその困難に
立ち向かう気迫を、ラーメンを語る言葉の中に秘めていた。

だから、いつか行ってみようと、思っていた。
----------------------------------
チャーシュー麺 950円
醤油ラーメン  750円
-----------------------------------
となかなか高価。
さらに特上チャーシューなんてのもあったが、1000円を超えるものを、
知らない店で食べる勇気はない。
店はそこそこウェイティングが出る程度に混んでいる。
で、チャーシュー麺の食券を買った。

カウンターが空き、厨房が見渡せる場所に陣取る。
スープ前に一人、麺担当が一人、盛り合わせが一人、デリバリーが一人。
カウンターに丼を置くまで客に触らせないスタイルだ。

麺を手で揉み、時計を見ながら寸胴にセットしたザルに入れる。
この時点で、嫌な予感がした。
このスタイルって、駅の立ち食い蕎麦と同じだぞ・・・・。
しかも時計を見るって事は、麺の状態を見て上げるんじゃないって事だ。
そしてさらに、信じられない動作を見た。

麺を箸で掴んで湯から上げて絡まないように混ぜている。
何度も何度も。

麺を茹でる基本は、大量のお湯の中で麺を遊ばせるようにし、
上げるまでは極力温度変化を避けるべく、お湯から出さない事。
自家製麺だから、こうやって作っても大丈夫な麺にしてあるのかもしれないが、
あんなに湯から出したり入れたりしたらなぁ・・・と不安になる。

しばらくして出てきたチャーシュー麺は、バラ肉の煮豚が3枚のったものだった。

ラーメン専門店でチャーシュー麺を頼むと、普通これでもか・・・とチャシューが
のったモノが出るイメージがあったから、その殆ど普通のラーメンに見えるソレに
はっきり言ってがっかり。

まぁ食べてから・・と思い、そのチャーシューを箸で掴むと、はたして程良く煮えたソレは
グズグズと崩れて分解してしまう。
でも、煮豚として考えればまあ、美味しい部類だと思いながら、スープを味わう。

煮豚の油がのった、魚系の出汁。
塩辛さは良いがコクが無い。

麺を一口食べる。
やっぱり・・・・・

ふにゃっとした感触。
何を食べているか解らないほどの個性の無さ。
薬味としてのせられたネギの香りと魚の香りが強いだけのモノ。

ロブロイで美味いラーメン作りに悩むスタッフの語りを聞いていて感じた何かは、
この中途半端に何かが欠けたラーメンを食べると良く解る。

バランスが悪い。
本質を理解していない。

最後にスープだけ飲んだら、結構いける。
という事は、麺と合っていないって事だ。
このスープだったら、饂飩か滅茶苦茶に細い麺を合わせたい。
そして酒か味醂を加えてこってりさせたい・・と思ってしまう。

しかし、まだこのラーメンが発展途上であると考えたい。
少なくとも、スタッフ達はその問題がある事は知っているからだ。

ラーメン博物館の・・・というアドバンスが無くなった時、
今のままではこの店は続かないだろう。
だから、少し眺めていようと思う。

 
 
サイト内の画像・テキスト等の無断利用・転載は禁じます。
Hisashi Wakao, a member of KENTAUROS all rights reserved. / Web design Shigeyuki Nakama
某若夢話は横浜飛天双○能を応援しています。