世間様は連休・・・という事で、私の職場廻りは大変な賑わい。
しかしこちらは締め切りがあるため、仕事へ行かねばならない。
で、あまりの気候の良さに、バイクに跨った。
しかし、今年の山下町界隈の人の混み方は半端じゃなかった。
歩行者天国になっていない道も、多勢に無勢で車が走れない。
幹線道路は渋滞で動かず、裏道も駐車場待ちの車で微動だにしない。
そんな中、そのアクシデントは起きた。
中華街の南門より入り、東門へ抜ける道は、「南門シルクロード」なる変な名前がついている。
この道は、一目みた瞬間、車道が無くなったのか・・・と思うほど酷い状況だった。
どこを見ても人以外見えない。
対向車のタクシーも人混みに動けず、運転手もあきれ顔。
そしてその道沿いにある我が社。
道から歩道を乗り越えて玄関前に駐車するため、少しずつ右折体制を取る。
正面から歩いてくる(車道を)観光客は立ち止まり、こちらも廻りの目線を確認しながら右折を始める。
ところが年の頃はまだガキと言ってもいいような小娘が、超低速で右折している私の前にこちらを見ずに飛び出した。
ブレーキングで無事止めたのだが、グラッと左にバイクが傾く。
その時、無意識に右手一本でバイクを支えて(引っ張って)しまった。
グキッ
手首の中で、音がした。
遠慮無しに進路を横切る観光客を、煽り気味に吹かしたエンジン音で蹴散らし、どうにか玄関に到着。
バイクをスタンドを支点にぐるっと回そうとしたのだが、どうにも力が入らない。
あれっと思ったら遅かった。
どうやら手首の中のどこかを痛めたらしい。
とにかく出社し、たまっている書類を処理しだしたのだが、
手首がだんだん回らなくなる。
明らかに捻挫系の痛みだから、水道に行き流水で冷やすのだが、痛みは増すばかり。
ジーンズのポケットにも手が入れられない。
バイクに乗るなんて不可能。
というか、キーボードを打つために掌を下に向ける事すら、痛くてできないのだ。
で、諦めて、NOTOS-1さんが入院している病院(救急指定)へ行き、湿布薬を貰う事にした。
久々にレントゲンを撮り、骨に異常の無い事は確認したが、その時の医者が笑った。
「あのですねぇ・・実は私も同じ事やっているんですよ」
と尺骨の根元(手首外側の突き出ているところ)を押して、ポキポキ鳴らす。
「右手ってよく捻るんですが、これは手首の中の尺骨がついてる部分の間接が、
所謂瞬間外れかかった亜脱臼ってやつでして・・・。
教科書に則ると添え木を当てて固定して経過を見るとあるのですが・・・。
私は、結局仕事が忙しくて何もしませんでした(笑)」
ちょっと待って先生。
じゃ、「このまま何もしない」って言わせたいのか?
「で、どうします? 固定しますか?」
「ええまあ・・・。でもペンとか握れないですよねぇ?」
「そうですねぇ。 掌まで板入っちゃいますから、握りにくいと思いますが、
今だって、大して握れない状態でしょ?」
「はあ」
「でも、私は何もしなかった・・・と。 仕事が忙しくてねぇ。
あなたも、そうなんですかぁ・・。 大変ですねぇ。 今日もお仕事で・・・。
私の場合は何もしなかったので、一年位はずっと痛かったです。
ゴルフも一年やれませんでした。」
「固定しない場合はどうするんですか?」
「シップして、アイシングするだけですね」
「じゃあ・・・」
「で、放っておいたら、こうやって尺骨が出っ張ってきて、
ポキポキなるようにガクガクになっていくんですねぇ」
おお〜い。
どうしろって言うんじゃ?
元々保険で安く湿布薬を買うつもりだった私は、医者の意見は聞かない事にした。
湿布薬を貰い、三角巾で腕を吊って(取りあえず楽だから)
そのままNOTOS-1さんの病室に見舞いに行く。
「見舞いに来る奴が、シップ片手に腕吊ってきたのは初めてだ」
と笑われ、退屈を持て余している彼には一時の暇つぶしを与えられたようだ。
バイクはショップに来ていたライダーの好意でショップまで乗ってきてもらい、
アクセルが捻れるまで預かってもらうようお願いした。
しかし、その時点では何時、右手が捻る動作ができるか解らない程痛い。
湿布を貼り、25分間のアイシングを続けても、痛みは増すばかりなので、
翌日、身体全般に効くと以前書いた「田七」を試してみる事にした。
普段、毎日欠かさず飲んでいるのは、熱処理した穏やかな効き目の物だが、
前に用途が限られているもっと強い、熱処理無しの物がある。
これは、効能が身体の中の痛み全般と、外傷(粉にして塗れ・・とある)にも効く。
(と効能書に書いてある)
で、飲んでみたらこれが・・・・・・効いた。
一時間も過ぎた頃から、捻挫特有の内部が別人のような感触、が薄れだし、力が大分入るようになってきた。
それでも大事をとって、一日は湿布+アイシングを続けたのだが、晴れて三日目の今日、
バイクのアクセルを回してみよう・・という気にまでなった。
恐るべし漢方。
情けなし、西洋医学。
湿布は筋肉を拘縮させ、それだけでも痛みを増加させる。
ところがこの漢方薬は、炎症のみを治め、痛みを和らげてくれるようだ。
競輪選手が痛み止めと化膿止めと出血止めを兼ねる便利な外傷薬として使っているのだから
効かないわけは無いと思っていたが実際、組織的に損傷を受けている部位まで動かすと痛む以外は、
我慢できないほどの痛みが消えてしまった。
で、キーボードが打てるようになって、この情けない文章を書いている(爆)
この薬。
江戸時代から、漢方薬(外傷薬)として少量、日本に入っているらしい。
が、その知名度の低さより、非常に入手が難しい。
あったとしても、とても高価である事も事実。
もし、知人が香港に行く・・・という話を聞いた場合、
是非少量買ってきてもらう事をお薦めする。
(現地価格:500グラム450hkd 「裕貨国貨」にて)
飲めば痛み止め&炎症治癒、粉を塗れば傷薬と、ある意味万能であるから、
15グラム程度のパッケージを一つ、タンクバックに入れて置くと良いだろう。
しかし、この歳になって手首捻挫・・・て、かなり恥ずかしい(;_;)
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