土曜の夜、25時23分。
会社の前に停めてあるバイクに火を入れた。
今日は、いつもより早く帰るぞ・・・と思いつつ、この頃の気候のためにしばし暖機。
走り出す前の儀式のようなものだけど、ゆっくりバイクの周りを見てまわり、
パーツが盗まれたりパンクさせられたりしていない事を確認する。
下品な爆音が近くの道から聞こえてくる。
元気な事・・・と思いつつ見ると、久々に旗持った暴走族がチャラチャラ走っている。
自分のバイクだって似たような爆音を出すのだが、やっぱり音質が違う・・・・
等と野次馬的に眺めていた。
まあ、今日は昼飯しか食ってないから、ぼ〜としてないで帰ろうと、
彼らに合流しにくいルートを選んで帰路につく。
からかう元気も無ければ、付き合う体力も無いって事。
「おじさんは、仕事で疲れているんだよ」・・と呟いてみたりする。
山下町からみなとみらいを抜けポートサイド地区を右に見ながら曲がると、
そこは横浜駅口に近い交差点に出る道。
少し鋭角な左コーナーはリアタイヤを適当にスライドさせながら回り込み、
すぐ右に切り返して緩やかな右コーナーをやっつけると上手い具合に信号は青だった。
100メートル前後の直線とは言え、そこで気持ちよく開ければ片側4車線の道に出る
交差点はちゃんとした高速コーナーに早変わり。
で、いつもどおりのスピードから進入したら、旗持ったノーヘル2ケツバイクが
突っ込んできた。
どっちにしろ、もう止まれない。(止まれるスピードじゃない)
仕方が無いので構わずに突っ込んだら、コッチを見て交差点内で止まりやがった。
ライトに浮かび上がる若造の顔が心なしか引きつっている。
あ〜あ・・・やっちゃった・・・・。
絡むつもりなんて、全然無いのにねぇ。
音だけの暴走族をパイロンにして、千切る事にする。
どうせ集団走行中だから、追いかけてくる奴はいない。
わさわさと寄ってきたり、足を出してみたり、邪魔くさい事この上無いが、
邪魔、邪魔・・・と叫びながらスラロームする。
何だか、彼らは見かけだけ勇ましいのだが、運転はとても紳士的だった。
追いかけられても、スピード差がありすぎて恐くも何ともない・・・っと(笑)
派手な背中を見せながらのスラロームだから、信号で止まっていて囲まれても面倒。
で、申し訳ないけど久々に赤無視走行をしていたら、背中で光赤い回転灯。
しょうがないので、大きな交差点で信号を守って止まったら、覆面パトが寄ってきた。
(俺捕まえずに、族を取り締まれよ・・・何だかなぁ・・・)
「何ですか〜」(語尾上げ)
「あんな走り方したら、囲まれて危ないから、一応ついてきたんだよ・・・」
「お気遣い、ありがとうございます」(まったく)
「気をつけて帰ってね」
白のセドリック赤灯付きは、
いきなりサイレン鳴らして交差点でUターンして、帰っていったとさ(爆)
最近の族は、ゆっくりうるさく走るんだ、
という事をあらためて確認できた夜だった。
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