2度ある事は3度ある、とはよく言ったもの。
たまに「フライデーナイト・ドリンクオフ」をやっている中華街の「タバーン」が、
見事な居抜きにあっていた。
久々にカメラを持って歩いてみて、タバーンの表って撮ってないと思い、
ファインダーを覗いたら何か変。
ユニオンジャックをベースにタバーンと文字の入った看板が、ユニオンジャックのみに変わっている。
店名出さなくても固定客は必ず来る所だから、いよいよ客を選ぶようになったかと邪推しながら、
店に入ると何か違和感が漂っている。
先に来ていた「シゲ」に言われて気がついたが、なんと店の名前が違っている(呆然)
「D&D」という変な名前に変わったその店は、
フィッシュアンドチップス用の冷凍タラを解凍する風景も無ければ、
いつものマスターやお姉さんも見えない。
コックとレジ前の茶髪姉ちゃんは前のままだが、店を仕切っている茶髪ロン毛の兄ちゃんが新顔。
上も下も黒で決めるのはいいけど、胸ははだけて目つきもシャープ(悪く言えば目つきが悪い)。
店内も妙に綺麗に片づけられ、壁に貼ってあったイギリス風の物もかなり剥がされている。
メニューは「タバーン」のままの物を使ってはいるが(コックがそのままだから作れるのだろうが)
ジョンが作り上げたイングリッシュ・パブの雰囲気は、すっかり失せている。
(田舎町のちょっと雑多な感じや、デコレートのセンス等が見られない)
酒は居心地で味が変わる物だから、
すぐ河岸を変えようという事になった。
横浜の良さは、古い物と新しい物の融合している部分にあると思うのだが、
最近はその古き良き物がだんだん姿を消している。
みなとみらいは、まさにその骨頂。
土地をコンクリートやアスファルト、石等で覆い尽くし、
人工的な街並みに人工的な遊園地を配し、緑なんて殆ど無い。
それでも観光客はバカみたいに殺到し、週末は大渋滞が起きている。
名店は代替わりをするとダメになる。
今の若者に媚びているからか、店は小綺麗で味は塩辛く、全体的に薄っぺら〜となってしまう。
生まれた時から何でも揃っている世代は、問題を出せば解答しようとはするが、
自分から何かを作り出したり、一つのことを掘り下げて探求するような事は苦手のようだ。
だから美味いと感じる事の先に、どうしたら多くの人が美味しいと感じられるだろうと、
想像する意味を自分の中に見いだせない。
となれば、自分で幸せも見つけられなくなるのは当たり前の事で、
物欲に走ったり消費する行為だけに価値を見いだすようになるのも、道理なんだろうか。
最近、お気に入りの店がどんどん減ってしまい、夜の徘徊もつまらなくなってきた。
でもちょっとだけ感覚を薄っぺら〜にすり替えて、新しい店を探すようにしている。
それで、出会った店が思い切り横浜してたら、スッゴイ嬉しいかも知れないからネ。
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