中華街でポピュラーな麺メニューと言えば、必ずノミネートされるのが「ネギソバ」。
スープに麺、そしてトッピングは「ネギ+細切りのチャーシュー」といったところが通り相場。
具がシンプルなだけに、スープの味や自家製ラー油&ネギ油の味等が出てしまい、
いい加減な店のこのソバは、馬鹿野郎と叫びたくなるほどの味だったりする。
(逆に言えば、こういうシンプルなものが美味しければ外れ無しと言える)
「栄楽園」という店は、細切りのチャーシューと白髪ネギをラー油で和えた物を麺に載せて出すが、
このトッピングをそのままご飯に載せた「細切りチャーシュー丼」というメニューもあって、
これがけっこうな人気を博している。
(実際、中華街の外れにあるわりには客の入りも良く、コストパフォーマンスに優れたお薦め店の一つでもある)
油を使っているわりにはアッサリとしていて、かなり多くの店で食べられる事から、
少食の人やアッサリ系が好きな人には、絶大の人気を得ているようだ。
いわゆるラーメン屋にある「ネギラーメン」のルーツにあたる、と言われても納得できる物だから、
それ故観光客等にも味が想像しやすく、人気が出るのは当然かも知れない。
そんな人気メニューであるから、当然亜種が派生する。
「海南飯店」という広東料理の名店では、「汁なしネギソバ」というヒット商品があるが、
長ネギと上湯で作られたそれは、皿に盛られてサーブされる名品。
ただ、スープが無い分腹持ちは悪く、サイドオーダーとしての扱いをした方が良いとの声も聞く。
他の店に色々あるのだがそれはまたの機会にするとして、今日ちょっと変わった亜種を紹介したい。
それは週に2日は通う「蓬莱閣」の裏メニュー(メニューには載っていない物)なのだが、
いきなり梅雨明けし高温多湿の中で食欲を失っていた私に、こんな物もあるよと教えられた物だった。
「冷やしネギソバ」
イメージとしては「冷やし中華」のネギソバ系だと思ったのだが、出てきた物は普通の麺用の丼に入った物だった。
白髪ネギと細切りチャーシューを胡椒とネギ油で和えたトッピングは、他の店のそれとあまり変わりはない。
しかし、スープは麺を隠すほどの量が無く、ちょっと趣が違って見える。
どこが冷やしなんだろう・・・・と思いつつ口にすると、麺もスープも熱すぎず冷たすぎない微妙な温度になっている。
味はこの店にしては薄味で、アッサリと軽く食べる事ができた。
酢と辛子で食べるような冷やし中華とは違う、穏やかなほんのり暖かい麺と言えばいいのだろうか。
あっという間に平らげてしまった。
最後に残ったスープに少し酢を入れてみたら、これがまた美味しい。
これは、ちょっとクセになりそうだ・・・・と、久々に思った。
最近体重を少し落とせと医者から言われ、大食いを戒めている自分にとっては、
あっさりと少な目に食べるにはもってこいの量。
当分、この「冷やしネギソバ」食べ続けそうである。
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