今日中華街を歩いていたら、和風の小さい傘をさし自転車でかっ飛んで行く婆さまに出会った。
緑色のサリーのような生地でできた服を着て、髪はくるくるっとまとめて束ねてある。
しかし持っていた傘の骨には、風船で作った犬やら何やらがたくさんついて、
実に不思議な形となっていた。
それを見ていて、春だからな〜と思いつつ、ふっと思いだした。
横浜には、伝説的な奇人が居た・・・・なぁ、と。
日本全国的(?)に有名なのは、「マリー」さん。
白ずくめのヒラヒラのついたロングドレスを着て、白い日傘をさし、
顔も塗り壁のように真っ白で、髪も真っ白。
一目で、何者?っと思う不思議なスタイル。
伝説的な娼婦と言われ、実際多くその姿を見られたのは2代目と聞いているが、
かなりの高齢であった。
もう一人思い出すのは「パタパタおじさん」。
真っ黒に日焼けして、ランニングシャツに短パンで、毎日パタパタ走っている人。
やはり高齢で頭も殆ど坊主のおじさんは、独特なペースで横浜の車道をどうどうと
走っていた。
ああ、そう言えば元町の手前のバイク屋のオヤジは、空気抵抗が少なそうな腹と
背中まで伸びた長髪で、袖をぶった切ったジージャンに山型のマークを縫いつけて、
一種独特の迫力をさらしていたっけ。
いかにも悪そうな兄チャン達をアゴで使うのだから、奇人に見られていたかも知れない(笑)
最近は、誰でも知ってる奇人が減った。
人間らしさの欠如といえばカッコイイが、生き方のアピールを全身でしなくなった今、
個性はどんどん廃れてしまう。
それは、新しい物を何も産み出せない、使われやすい人間が増えたという事。
憂うるべき事態だと、思うのだが。
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