友達が来た。
久々だから呑もう・・という事に。
足の都合で横浜駅近辺で・・というオーダー。
さっそく、飲み屋情報を記憶の彼方から検索する。
ヒットしたのは「海華月」
串焼きをメインに和食系のつまみと、日本酒、ワイン、モルトが
そこそこまともなクラスで揃っている、ダイニングバーだ。
3800円のコースをたのめば、突出し・刺身・揚げ出し豆腐・口直し・
串焼き3本(牛・烏賊・海老)・サラダ・焼きおにぎりのお茶漬け風・
アイスクリームの串焼きが、約2時間かけて出される。
ボリュームもそこそこで、日本酒も純米から
吟醸クラスまであるから、結構気に入っている。
久々に出かけたのは金曜の夜9時30分。
店はカウンター席と、あがりの座敷、テーブル席が揃い、
厨房はガラス張りで串が焼かれるところが見える。
小僧が無理目の姉ちゃんを連れて来るには、
ちょっと敷居の高そうな店と言えば、想像がつくだろうか。
本当に久々の訪問だった。
以前は、カッコつけたオヤジが若い姉ちゃんを連れて来るような客層で、
基本的に静かで居心地が良かったのだが・・・。
店の中はガキだらけだった。
カウンターはガキカップルが占領し、座敷は若いサラリーマンが占領。
通されたテーブル席は、なんと合コンに半分が占領されていた。
ゆっくり話がしたいのに、なんだかうるさい。
金曜の夜だから仕方がないが、それにしても・・・。
予めコースを頼んでいたから、今更逃げ出すわけにもいかない。
駆けつけ3杯じゃないが、生ビールを一気にやっつけると、
とっとと日本酒に変更した。
なあに、酔っぱらっちまえば、こっちの物。
「田酒」を3合いただく頃には、適当に耳も遠くなってきた。
しかし、客層がこうも店の雰囲気を変えるだろうか。
なんだか、大人の隠れ家的なイメージがあったはずなのに、
今や居酒屋に近い状態である。
呑みが足りないので、「久保田」に変更。
さらに杯を進めるが・・・・やっぱりうるさい。
しかも、味が良かったはずの店なのに、妙に塩辛い。
友達は関西系のやつなので、尚更その辛さにまいったよう。
こうなると、せっかくのもてなしも逆効果。
がっかり・・・してしまった。
最近どこで食べても感じる事なのだが、
若者が入っている店の味付けは、概して塩辛いように思う。
素材の味なんて期待できない冷食ばかりのレストランならまだしも、
こんな和食系の店まで、塩辛くする事はないのに・・・・。
調理人が若くなると、味はどうしてもその世代の好みに変化する。
化学調味料とソース・ケチャップ・マヨネーズで育った世代には、
淡い天然塩の醸す豊かな旨味なんてわからないんだろうなぁ・・・。
客に媚びるのは、客商売の常。
客層がシフトすれば、それに合わせた味になるのは仕方無い。
若者向けに味を変えたから、若者が集っているのか、
若者が集うようになったから、自然に味がシフトしたのか、わからない。
一つ確かな事は、
二度と友人は連れて行く気にならない、
という事。(残念ではあるが)
教訓: 客層が、店を変える。
同年代の人間が、客として来ていない店は避けるべし。
過去の記憶はあてにならない。
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