某ビール会社のCMを見た。
コロッケを買って、それをつまみながらビールを飲む。
それだけのCMだが、見るたびにコロッケを食べたくなる。
で、買いに行く事にした。
昭和30年代生まれとしては、食卓のおかずとして出されるコロッケは
自宅で作るものより肉屋で買ったやつの方が好きだった。
母は、家で作った物の方が肉が多いから上等だと言っていたが、
肉屋のホクホクしたコロッケの方が美味しいのだから仕方がない。
揚げたてのコロッケに、ソースをかけて食べる。
ほとんどジャガイモだけの中身。
衣がカリッとして、ラードの香りが食欲をそそる。
中身はちゃんと腰があるのに、口に入れるとホロホロと崩れていく。
それは、肉屋の中でもっとも安い商品でありながら、
一番美味しいと信じた物だった。
東神奈川にある神奈川スケートリンク(反町公園)、
そこから第一京浜に向かって道が伸びているが、
JRのガードをくぐってすぐの道沿いに、肉屋がある。
その店の名は「第三武田屋」
間口は二間ほどの小さな店で、ガラスのショーケースがひとつと、
白いタイルがはられたカウンターが一つだけ。
その奥で大きな中華鍋に火がかかり、油が暖められている。
昭和30年代の頃から変わってないような外観で、
気をつけていないと見過ごしてしまいそうだ。
ショーケースにコロッケは無い。
しかし、心配はない。
「コロッケ下さい」
と声をかけると、愛想の良いオバサンが出てきて、
暖められた油にコロッケを入れる。
そう、ここのコロッケは受注生産品。
1個80円のコロッケは、揚げたてのホクホクで出されるが、
経木と白い紙できちっと包んでくれるところがまた良い。
具にはちゃんと味がついているから、何もかけずにパクッといただく。
これが何とも言えず旨いのだ(笑)
しかし、何故「第三・・」なのだろう。
中華街には「第二武田屋」があるが、何か関係があるのだろうか。
本店があるような店にも見えないから、謎だ。
いつか尋ねてみようと思うのだが、早くコロッケが食べたくて
いつもその事を忘れてしまう・・・。
まあ、揚げたてのコロッケが食べられるのだから、
どうでも良いのだが(爆)
ここのコロッケだけは、
ソース無しで食べるようにしている。
久々に食べたが、旨かった。
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