今年も、横浜飛天双○能が8日に開催された。
今回は鶴づくしの演目で、狂言小舞や笛とタブラ、尺八などのいつもと違う演目が
組まれていたが、一番違った物は照明だった。
「ろうそくの明かりのような効果を演出する1/fゆらぎ照明」という名の、
変わった照明が施され、夜の能舞台をろうそくの明かりで見るような感じの
素敵な催しとなった。
相変わらず、観客の1/3はライダーが占め、会場の案内にはケンタウロスの看板持ちが
いたりと、不思議な光景を繰り広げていたが、一般の客も横浜ではすでに4回目でも
あり、自然なとけ込みを見せていた。
能の会は、着物を着た熟年が揃うようなイメージも、この会では通らない。
能の知識なんて殆どない私が、緊張感と伝統文化を味わいに行くのは、
もう年中行事になってしまっている。
日本古来の楽器の調べは、心のひだを撫でるように聞こえ、
謡いや鼓の調べは、独特の空気と緊張感を作ってくれる。
時間や象限を簡素化し凝縮して演ずる物に、逆の広がりや流れを感じるからこそ、
その空気を心地よいと思うのだろう。
日々の暮らしの中で、バイクに乗る以外に味わえる緊張感は少なく、
まして自分の生死にかかわるようなチョイスは、そう転がってはいない。
気がつけば、感情も感覚もダルになり、当たり前にできた能力はすっかり錆びつく。
いつも研いでいなくては・・・と思うのは、
きっとそれだけで生きてきたからなのだろう。
でも、それが唯一、自分の立つ場所を固める方法であったし、
これからもそう生きていきたいのだから、仕方がない。
20年以上バイクに乗り続ける事は、そういう不器用な生き方の具現であり、
自分だけの誇りでもある。(それしか方法を知らないだけだろうが)
長く乗り続けているライダー諸氏、
何故乗り続けているのですか?
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