それはある日突然始まった。
まだ、テレビカメラマンをやっていた頃の事で、今からもう14年前の2月だった。
なんだか、ピントが合わせにくい。
涙が滲んで鼻水が出る・・・・。
そう、今でこそポピュラーになった、花粉症の訪れだった。
水道の蛇口を捻ったように鼻水が垂れ、目は痒く涙が溢れ、
咳をしたら最後、当分の間は止まらない。
しかも、頭がぼおっとして、思考能力が低下する。
これはカメラマンにとってツライ病気だった。
初めての事だから、どうして良いかわからず、
色々な薬を試した結果、私の症状にはファイザー製の目薬と、P&G社のコフドロップ、
ヴィックス社の鼻用スプレー等が、有効であるとの結論に達した。
しかし、症状は押さえられても、薬が切れたらぶり返す。
したがって、ロケ用のMA-1の袖ポケットには花粉症セットが必ずセットされ、
デスクの上と自宅の食卓の上にも、それぞれ別のセットを用意する事となった。
当時のアレルギー対策薬は、医者にて注射を受けると、どうも体調が悪くなり、
おまけに症状が出てからでは、あまり効果も得られなかったので、
事前対策より対処療法という形に頼ってしまったのだが、
現在においても、抗アレルギー薬の投与は、やはり症状が出る前と聞く。
ところが、毎年この時期は非常に忙しい事もあって、
実際症状が出るまで花粉症の事を忘れてしまっているのが事実。
で、同じ事の繰り返しを、毎年やっているのだから、進歩がない。
昨日の朝、熱っぽく感じた私は、香港疲れかインフエンザの襲撃か・・と
勝手に思いこんだのだが、今朝は目に涙と鼻のむず痒さを感じて、
しまった・・・と思った。
そう、今年も私にとってツライ時期が訪れたのである。
目も鼻も喉も、対処療法で問題なく過ごす事ができるが(我慢は必要だが)、
気管支まで炎症を起こすと、これは大問題になってしまう。
花粉は空気の中を舞っているのだから、肺に入っても当たり前。
水浸し状態の鼻と喉でも捕まらない程、空気中に花粉が多い場合、
花粉が気管支や肺にまで吸い込まれ、そこでアレルギー反応を起こす。
現実的には、肺を喉の奥から引っぱり出して、思いっきり掻きむしってから、
綺麗に洗浄してしまいたいほど、肺から気管支からが痒くなるのだ。
喉のかゆさを我慢できずに痒さ解消に咳をすると、その反動で花粉を取り込み
そのような症状を起こしやすくなる。
だから、なるべく咳をしないように我慢するしかないのだが・・・・。
気がつけば自分の廻りにも、かなりの人数が花粉症だったりする。
「田舎に居たときは、何でもなかったのに・・・」
というコメントもよく聞くが、たまたま発症時期が都会に居る時にあたっただけで、
関連性はないのだろう・・・と思っていた。
しかし、直接の因果関係は無いにしろ、アレルギー体質にさせられる毒は、
都会の方が多いのかも知れない。
ディーゼル排ガス、アスベスト、ダイオキシン等、豊かな社会が出す無駄なゴミや
排泄物は、間違いなく人間の生理に反する物であるはずだから。
職場で花粉症の人間に聞き取り調査をしてみたところ、
・冬から春に生まれた人間が多い
・おにぎりよりハンバーガーがすき
・田舎では花粉症にならなかった
等の共通点があった。
皆さんの廻りではどうなんでしょう(ちょっと興味あり)
この時期、バイクから遠ざかるのは、寒さより花粉の影響が大きい。
涙が滲んで前が見えない事の恐怖より、花粉の多い外に長くいる事の方が、
ずうっと恐怖なのだから。
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