|  初めて所有したロードバイクはヤマハのGXでした。いわゆるオーソドックスなバーチカルツインは、音だけ聞くとCBにそっくり。
 180度クランクで、盛り上がりのあるエンジン特性は、
 2ストから乗り換えるには感性が合うような気がしました。
 当時は、「やかんタンク」と言われたホーク2に人気がありましたが、ホンダのエンジン特性がどうも好きになれず、
 やっぱりヤマハかスズキという感じでのチョイスでした。
 (ショップには、GSも薦められましたが、どうも○走関連が好んで乗っていたので、
 盗まれる事を懸念して、ボツ。)
 当時のバイクは、セルスターターがあっても、キックスターターが必ずついていました。
 バイクのスタートは、キックから・・というのが、半ば儀式化していたので、
 セルは殆ど使わずいつもキックスタートでした。
 まあ、バッテリーが弱かったのと、バッテリー点火方式だったので、
 電圧が下がるとエンジンがかからなくなる、というのもセルを使う理由でしたが。
 
 やがて、バイクが歳をとってくると、すんなりかかっていたエンジンがかかりにくくなり
 長時間にわたるキックを要するようになりました。
 
 太陽をタップリあびて車体が暖まっている時以外は、30分はキックしないとかからない(笑)
 セルは、3回も回せばバッテリーがあがる・・・・(バッテリーがダメだったんでしょうね)
 しかし、貧乏人だった私は、新しいバッテリーを買う金もなく、結果キックの鬼に(爆) 蹴っているうちに、少しづつ点火しだし、3秒間アイドル、5秒間アイドル、とアイドル状態が徐々に長くなり、最後にやっとアクセルワークについてくるようになると
 30分を費やしている(笑)
 で、名付けたのが「キックスターター養成マシン」
 
 数々のキクッスタート自慢が挑戦し、尽く30分費やして敗北宣言する奴は数知れず。
 でも、「これからバイクに乗るぞ」とバイクと自分に言い聞かせる良い時間だったと、
 今は思います。(書を書く前に墨をするのと同じ感覚でした(笑))
 
 身体が小さく軽かった(当時は)ので、センタースタンドを立て、キックの上で飛び上がり
 全身の体重+足の力でスターターを早く回すのが、私のやり方です。
 この方法で他のバイクのエンジンをかけると、すんなりエンジンスタートするのです。
 以来、キックスターターつきのバイクでは殆どセルは使いませんでした。 それを覆したのはXJでした。
 こいつは、最初からキックが無い。(セルスターターのみ)
 コイツが寒い日にぐずると困りました。
 キックしたくとも、キック無し。
 押しがけするにも冷えているうちは、なかなか巧くいかないのです。
 
 どうにも困り果てていると、同じバイクに乗っているライダーが、
 押しながらセルを回す技を教えてくれました。
 楽にスピードアップしながら押し続けられる変な技。
 でも、不思議とこれがかかりやすいのです。
 昔は、かようにエンジンがかかりにくいのが、バイクでした。(トランジスタ点火なんて高級品でしたから)
 今のバイクは、結構あっさりかかりますよね。バッテリー上がったら、買い換えるだけの財力もあるし(笑)
 でも、ひたすら蹴っていたキック付きのバイクの方が、愛着があったのは何故でしょう。(手の掛かる子供ほど可愛い、というが如し・・・かしら)
 by H
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