|  汗をかくシーズン。ヘルメットはやはり汗だらけに・・・。
 ただ、通気性能が格段に良くなった事と、内装を取り外す事により洗浄できる事で、
 汗くさい・・というイメージはどうやら過去の物になったようですね。
 
 ただ、バイク乗りの身に纏う物は、どうしても色々な匂いがしがち。
 気がつくと廻りにイヤな顔される事も・・・。
 
 冬以外は、バックスキンのグローブを使っていますが、これが吸汗性能が良いため、
 かなり素晴らしい匂いがします。
 そのため目的地に着くと、まず手を洗うはめに(笑)
 
 着ている物は、きっとさらに素晴らしい匂いがしているのでしょう。
 革ジャンはもともと独特の匂いがする上、汗や埃、排気ガス等にさらされていますし、
 ブーツやジーンズは路上の液体まで浴びているのですから・・・。
 
 バイク乗りが独特の雰囲気を持っている、というのはひょっとしたら、
 この匂いも一役かっているのでは(爆)
 ジャンパーの上に着るジーンズのベストは、背中についているエンブレムをボロボロにしたくない、という事もあって洗わずに数年経過していますが・・・。
 確かにちょっと素晴らしい匂いがします。
 まあ私にとっては、汚れも匂いも全て自分が走ってきた証みたいな物。
 汚い・臭いと言われても洗うつもりもなく・・・・。
 しかし、なんだかベストの匂いが、不快じゃない・・・と言うか、懐かしい匂いに感じられて、自分でも不思議に思っていました。
 「何故、自分ではこの匂いが嫌じゃないんだろう」と。
 
 今日寝坊をして、出かける時に窓際に干してあったベストを取った時、
 昼間の陽の光を吸い込んで香るその匂いにふと、思う事がありました。
 どこかで、この匂いをいつも嗅いでいた・・・と。
 
 笑っちゃいました。簡単な事でした。
 わたしは、小さい頃から剣道をやっていました。 運動すれば当然身体は熱くなるのに、防具という汗も蒸発できないような重い物を装着するのですから、汗が半端じゃなく流れます。
 練習を終え面を外すと、自分の身体から湯気が立つのを、見る事ができる程。
 
 練習着は綿の刺し子ですから洗う事もできますが、防具は洗うわけにはいきません。
 立っていれば水たまりができるくらい流れる汗をすっかり吸うのですから、
 そりゃあ凄い匂いになるわけです。
 (だから、他人の使った物なんて、我慢できるわけもない)
 そう、ベストの匂いは、程度の差こそあれ、その匂いだったのです。練習着もベストも同じ藍染め(笑)
 汗の染み込んだ自分の匂いも同じ物。
 似ていて当たり前だったのです。
 身体に欠陥があってできなくなった剣道を、
 バイク用のベストで思い出すなんて、
 いかに匂いが記憶に残る物か、って事なんでしょうね。
 気がつけば、道を覚える時、匂いもまたその要素だと思えます。このコーナーを回ると養鶏場の匂いがする(笑)とか、
 この丘を越えると石油コンビナートの匂いがするとか・・・・。
 気温や匂いの変化に気がつけるバイク、
 やっぱり私の生きる道には、必要な乗り物です。
                            by H  |