|  「止まれぇ!!」 怒号とホイッスルが鳴り響き、容赦なく赤白棒をホイールに向けて投げる。運悪くスポークに刺さったバイクはもんどりうって転がる。
 投げ出されたライダーに容赦なくケリを入れる・・・。
 こんな取り締まりと称した暴力行為が当たり前に行われていたのは、二昔前の事。
 それが、神奈川県警第*交通機動隊の戦い方でした。
 そして当時暴走族と呼ばれるバイカー達は、揃いの服を着揃いの長いハチマキをして、2ケツの後ろは角材を持つスタイルで、傍若無人の走りを繰り返す。
 それは、両車線を埋め尽くす数で、道交法を無視して道を占領する迷惑この上ない行為でした。
 運悪く出くわしたら、横道へ逃げるか脇へ止めて通り過ぎるの待つしかない。
 そしてそれは、30分以上とぎれる事も無く続くのです。
 当時の族と呼ばれるバイカー達の多くは未成年で、ハンパに捕まると取り調べの後、警察の道場で柔道着を着せられ投げまくられる、という生活指導だけで許される事も
 多かったと記憶しています。(そういう扱いを受けた友達が語っていました。)
 
 確かに集団暴走行為は、許し難い事。
 それに巻き込まれて事故を起こした人が多く出たり、関係ない車両への暴力行為が為されたり
 すれば、これは立派な犯罪者集団ですから、それ相応の対応になるのでしょう。
 だからと言って、明らかに死に至りそうな停車法を平気で行うのは、
 取り締まる側の考え方が現れていると思うのです。
 
 アメリカのように、気を抜いたら取り締まる側が撃たれる社会ではないのに、
 権力を笠に着た取り締まりをする事は、人権を考えない昔の日本の体質と
 何ら変わりありません。
 
 警察官の友達に聞けば、取り締まる側も怖くてたまらない、との事。
 何千という法を無視した人間達が、凶器(よくて棒ですが)を手に
 突っ込んでくるのですから、それも仕方がないのでしょう。
 巻き込まれて車を壊される人も少なからずいたのですから、社会的にも暴走族への暗黙の殺意が、生まれていたのかもしれません。
 しかし、騒音に悩まされた住民が反撃にでると(ロープ張って転倒させたり)、その人間は法でしっかり罰を受けてしまう。
 そんな不条理も、法改正や時代の変化により暴走族が減少し、
 あまり目立たなくなりました。
 (無くなったなんて、言えません。)
 明らかな殺人行為を行っていた世代は、20年もたてばそれなりの地位にいるはずです。(ノンキャリだとしても最高で警部までは昇進すると聞いていますから)
 普通の会社で言えば、支店の部次長クラスまでにはキャリアアップしているでしょう。
 今回の神奈川県警の一連の不祥事は、その世代が現場を仕切っているさなかに起きた事。
 被疑者には人権を認めないやり方や、お手盛りの感覚がしっかり生きていると、しっかりばれてしまっただけでしょう。
  相変わらずの体質なんだ・・・と思いながら、不思議に思うのは何故これだけ集中して
 こういう情報が漏れるのか・・・、という事。
 何か別の意志が働いているようにも、思います。
 
 現在の神奈川県警の責任者をどうこうしたいというヤラセなら、
 相変わらずの権力志向と、納得と幻滅を覚えます。
 しかし、若い世代からの体質の淘汰を狙ったリークであるなら、
 有る意味必要な事かもしれません。
 今、ニュースで扱われている事なんて、氷山の一角でしょう。証拠物件のフィルムを勝手に持ち出し、恐喝を行っていた犯罪者をかばい、
 メモを持ち出したのは「着服」にあたると言い切ってしまう体質ですから・・・。
 表に出ない犯罪は、山ほどあると言っているようなもの。
 銃社会のアメリカでは、例え弾が入っていなくても銃口を向ける事は、立派な殺人行為として教育されています。
 そこまでしなくては、暴発からの事故を防げないからだけでなく、
 銃は人を殺す力がある事を認識した上で使いなさいと教えられるのです。
 だから、玩具の銃を警察官に向けて射殺されても、社会は警察官を非難しないのです。
 新人教育で、実弾入りの銃口を部下に向ける人間は、犯罪者と思う人間には躊躇無く発砲するでしょう。
 そんな人間に、職務とは言え銃を持たせるわけにはいきません。
 ちょっとうるさいバイクに乗っていて、
 暴走族と見られて発砲されたら、たまりませんからね。
 バイク乗る時は、防弾チョッキを着なきゃいけないのでしょうか(笑) この国は、公的であれ私的であれ、暴力を振るってしまう方が勝ち、みたいな所があるように感じられます。
 一般市民に対しては武器の所持を固く禁じているはずなのに、
 暴力団は当たり前に武器を持ち歩いているし、
 外国人犯罪者達も所持許可の出ないような大きな刃物を使ったりします。
 武器を持てない市民を守る警察は、その特権を利用して別の犯罪を起こし、今ここで起きている犯罪を止める事もできない。
 武器を持たない市民を守るために持つ武器は、部下をコントロールするために使われるのであれば、
 警察官は武器を持つ資格さえ無いだけでなく、
 警察という団体の存在意義すら問われる事だと思います。
 なのに、上層部は事実を公表する事もできない・・・。
 バカには権力を与えていけないのです。政治に無関心ではいけないのです。
 この国の政治は、有権者の選挙によって選ばれた
 議員達が行っているはずですから。
 何事も、諦めてしまったら終わりです。それは認めている事と同じですからね。
                             by H |