観光に来て、ちょっと食べ歩きしながら色々見て回りたいのか、
なんとなく不思議なジャンクフードが、中華街には存在します。
けっこう前からあったのが、「椰子の実ジュース」。
これは、かなり美味しくない物らしく、飲みかけが道によく置き去りにされています。
寒い時期には、定番の「肉まん」が主役になりますが、これだけ暑いと熱々の饅頭なんて
誰も食べませんね、やっぱり。
(ぶたまんという言い方は関西の言い方で、横浜では肉まんと言うのが正しいのです)
今年に入ってじわじわと増えてきたのが、なんと「天津甘栗」。
女性は栗が好きな人が多いようで、老舗の出店のようにしてできた甘栗屋が結構商売になると、
真似をするところがジワジワ増えてきて・・・。
最近は道を歩くと、剥いた甘栗を食わせようとする露店商があっちにもこっちにも。
ところが、この甘栗も食べると当然殻が出るわけで、その殻を道に捨てる輩も出現し、
街路樹の根本には栗の殻が・・・・。
自分のゴミは自分で始末する感覚は、やっぱり観光客には無いのかな・・と、
悲しくなりつつ、甘栗販売店を見ているとまた、別の変な物を売っています。
何かとよく見たら、大きいタピオカ入りのミルクティーでした。
「泡沫珍珠紅茶」という名で、香港で売っている物の真似ですね。
日本テレビで有名になった香港のタレントが、香港の食文化の一つとして後楽園遊園地
に出したあたりからブレイクしだしたようです。
香港では、カクテル用のシェーカーに紅茶とミルクと大きいタピオカ状の物を入れ、
電動シェイクマシン(こうしか表現できない)にシェーカーをセットし、
ガシャガシャと数分かき混ぜて泡が立ったら、カップにあけて直径1センチくらいの
ストローを刺して出してくれる物。
最初に飲んだ時は、その黒っぽい固まりが何だか解らなくて、
太いストローからズルっと口に入った時、少しどうしようか考えていたくらい、
得体の知れない飲み物でした。
まあ、香港には変な飲物が多く、例えば昔日本でも流行った「ホットコーラ」とか、
コーヒーと紅茶を混ぜて牛乳を入れた鴛鴦茶とか、
チャレンジする価値のある物が目白押し。
中でも結構はまったのは、「ホットジンジャーコーラ」。
これは、レモンスライス5〜8枚+ショウガのスライス5〜8枚をグラスに入れ、
コーラを注いだ後電子レンジで一気に加熱して飲む、変な物。
電子レンジで加熱すると熱くなるのが早いため、
湯気が立つコーラなのに炭酸が弾ける状態で出来上がるのです。
ショウガが身体を暖めて、レモンが甘ったるいコーラにアクセントを加え、
疲れた身体に染みわたるような安らぎを与えます。
歩き回ってくたびれた時喫茶店に飛び込んでコレを飲むと、
なんだか落ち着いて元気が出るような気がします。
ホットコーラは、日本では小鍋で温めて作ったので、
炭酸の抜けた甘い飲物にしかならず、結局すたれてしまいました(笑)
露店で氷水に漬けてあるミルクの固まりかけた紅茶は、いくら流行だと言っても、
美味しそうに見えませんからきっと、「珍珠紅茶」は中華街ではダメかもしれません。
甘栗は年間通して勝負できるアイテムでしょうが、暑い時に飲む冷たい物となると、
見た目も大切ですからね。(炎天下の下で置き去りじゃ、ちょっと・・・)
大型店vs露天商の甘栗戦争は、きれいなパッケージvs強引な試食の戦いでもあります。
プラプラする人には手軽さが大切で、観光バスで来る人はバスの中の楽しみやお土産
としてのパッケージが大切のようです。
巧いこと住み分けができているようですが、露天商の攻撃は後者をも取り込みたい一心で
どんどん過激になっていくのです。
毎日同じ顔さらしているのだから、私に栗を食べさせようとしないでくれ・・・!
と今日も心の中で叫びつつ、差し出される栗をかわして歩きました。
(食事に出る度これでは、しまいにチギレるぞ・・・と(笑))
by H
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