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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

誕生日には

「誕生日には、**がなくちゃ・・・」という人と、
「何もいらない・・」という人がいますよね。
 
私としては、祝う歳でもなくなった事もあり、
特別な事を企画しなくなって、随分になります。

母親の誕生日が15日にあるので、何かしてやろうとも思うのですが、

「特別にこの日だけ何かしてくれるより、いつも何かして欲しい」

と言われるのが常なので、顔を出すか電話をする、
という風決めているのですが・・・・。


子供の頃「母の日」に学校でカーネーションをもらって家に持って帰ったら、

「こんな無駄な事をして・・・。 
 こんな事より家の手伝いをしてくれて方が、よっぽどうれしいのよ。」

と言われてしまい、子供心に形だけの感謝なんて意味がないのかも・・・と、思いました。


何かの記念日や誕生日等にプレゼントをする事は、それ以来苦手になってしまいましたが、
何でも無いときに気に入った物をプレゼントする事は結構あったりします。

特に意味が無いから、高いものとかそれなりの格好もいらなく、
無駄に高いものにもならなくていいのですが、もらう方は面食らう事も・・・。
面食らっても、大事にしている人を喜ばせたくてする事ですから、
まあ、それは愛嬌という事で勘弁してもらっています。
 

でも、、
「誕生日には花が欲しい」と言う人や
「誕生日には必ず丸いケーキがなくちゃ・・」と言う人とつきあっていると、
誕生日を忘れたりプレゼントを考えておかなかったら、もう大変。
 
確か寒い頃だったな・・・位の感覚で覚えていて、
手帳を見て確認するのが私の常ですから、
忙しくてプレゼントの手配を忘れていると、次の誕生日までブチブチと・・(笑)
 
でもその方が、実は簡単で良いのです。
何故なら、望んでいるものが大体決まっているので、忘れないでいれば良いのですから。

一番困るのは「何もいらない」と言う人で、これは何も望んでいないわけではないのです。
だからいつも、特別な何かで、しかもあまり想像のつかない事を考えなくてはいけない・・・。
  
で、こっちも面倒くさくなってしまって、あまり考えなくなってしまって・・。

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その人は、
「何もいらない・・・」
と呟く人でしたから、二人で過ごす初めての誕生日に何をしてあげていいか解らず、
とても悩みました。
 
ステディになると私は、その証として装身具を交換したりするのが常でしたから、
当然そのように話しても、「何もいらない」と言うのです。
 

「何か物をもらっても、あまり嬉しくない。 一緒にいてくれればそれでいい。」

「いつも一緒にいられるじゃん。」

「でも、その日ずうっと一緒にいてくれれば、それで充分。
 どこかに行きたいわけじゃないし、二人だけの時間はあればいいの・・」
 

どうします?
こう言われたら。

いつだって一緒にいられるんだから、普段とちっとも変わらない。
だからといって、何もしないとやっぱりつまらない顔をするのも知っているし、
こっちもなんだか心許ないし・・・。
 
ところが、仕事が忙しく本当にその日まで、買い物はおろか自宅にさえ帰れない日々で
やっとの休みが、彼女と一緒に過ごす彼女の誕生日になってしまいました。


「こうやって、二人きりでいられれば充分よ。 
 何か買ってくれるのは、余計なお金を使わせているようで嫌だけど、
 私のために時間を割いてくれている行為は嬉しいもの。
 でも、今、一緒にいられる時間があるから、それでいい。」
 
「だって、いつもと変わりないじゃん。」

「じゃあ、安物でいいからシャンパンでも買って。
 ふたりで昼間から飲んだくれるってのは、どう?」

「何か買いにいってもいいんだよ。」
 
「こうしていれば、いいの。」


で、二人で手を繋いで酒屋に買い物に行き、
二人で昼間から飲んだくれてしまいました。

確かに、特別にする必要はないのかも知れません。
でも、生まれてきてくれた事に対して、感謝したい日だと思うのです。
誕生日って。

どんなに珍しい物を送っても、どんなに高価な物を送っても、
心が伴わなくては意味がありません。
親密になればなるほど、
一緒に過ごす時間の大切さを忘れてしまうのかも知れません。

結構いい調子で酔った私は、彼女を置いてちょっと買い物に出ました。
目指すは一番近い花屋です。
 
買ったものは、ピンクの薔薇を一輪だけ。
キレイにラップしてもらいました。 

部屋に戻って半分つぶれていた彼女に差し出すと、みるみる大粒の涙が・・・。


「反則だ・・・」

と一言。


花束ほど、無駄なプレゼントはないと思っていました。
5千円〜1万円と良い値段のわりに、その場限りの艶やかさだけ。
まして、仕事柄番組が終了するときのセレモニーに使う事が多かったので、
どうも花というものは、別れのイメージがついてまわるのです。
 
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その彼女ではありませんが、以前つきあっていた女性と大喧嘩した後
関係修復のつもりもあって、花屋で奮発して薔薇の花束を買って
プレゼントした事がありました。


怒ってしかめっ面していた彼女は、薔薇の花束を渡されると

「ずるいよ〜」

と言って許してくれた事がありましたから、やっぱり女性は花には特別な想いを
抱く傾向があるのかもしれません。

でもその後こんな会話が続きました。


「この花の色キレイね。」

「だろ。 淡い黄色が珍しくてネ。」

「黄色いバラの花言葉って、知っている?」


知っているわけがない。
色が一番キレイに見えたから、買っただけ。


「嫉妬って意味があるのよ。」


ゲッ・・・。
知らなかった・・・。

今思えばハッタリだったのかもしれませんが、それでも許してくれましたから、
どうしても困ったら花をプレゼントすれば良いと、それ以来決めています。
 
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ピンクの薔薇は、淡い白に近い優しい色をしていました。
空けてしまったボトルを洗い、水を入れてその薔薇を飾ります。


「女の人で、花をもらって嬉しくない人はいないと思う。」

「そうなんだ・・」

「そうよ。 知ってて買ってきたの?」
 
「いや、気持ちの問題だから。
 何も買わないのは僕自身がいやだったし、
 かといって高い物はいきなりどうかと思うし・・。
 で、色がきれいな花を買ってきたんだ。」

「反則だよ〜。 これ・・・」
 

数時間後、二人で食事をしていた時、彼女はこう話してくれました。
 

「昔から花が好きで、高校生の時は花屋でバイトしたりしてたんだ。」

「へえ〜、初耳だね。」
 
「うん。 でもね・・・、
 花は大好きだけど慣れているから、
 花束もらっても感動はあまりしなくなったの。」
 
「なんだか、キレイに咲いている花を切って束ねるのは、
 僕的にはちょっと心苦しいんだよ・・。
 それに別れるイメージもあって・・。」
 
「そうね、仕事柄そう思っても当たり前かも。
 でもね、私もビックリした。」

「何が?」

「花が心を揺らす物だとは思っていたけど、
 こんなに嬉しかったのは、初めてなの。
 花一輪がこんなに嬉しいって思ったの、初めてなの。」
 

私も、こんなに喜んでもらった事は、初めてでした。

大事な人にプレゼントする物、困った時には「花」、お薦めします。

                        by H

 
 
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