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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

ガソリンより高い

昔、横浜の水は質が良く、美味しくて、赤道を越えても腐らないと言われ、
船は必ず横浜港で水を積んでいくと習ったはずなのに、
最近特に横浜の水は不味いように思います。
 
暑いとき公園の脇にバイクを止めて、公園にある水道から水をがぶ飲みし、
ついでに顔洗ったり頭に水かけたりするとき、
昔はその水が随分美味しかったように、記憶しています。

いつ頃からか、ミネラルウォーターが売られるようになり、
今ではコンビニでも当たり前に置いてあるようになりましたが、
最初に売り出された頃は値段も高く、商売になるのかな?と思いました。
(最初はビン詰めで売ってたりしたんですよ)
 
外国では水道の水は飲むなと言われ、むこうで水を買う事を覚えたのですが、
まさか日本でもそんな時代がくるとは思いませんでした。
それも、もともと水質が悪い国ではないのに・・・・。
 
外国でお腹を壊す理由は、殆ど食べ物です。
それも水や香辛料など、日々必ず口にはいる物で、日本では食べないもの
が入っている場合です。
生水を飲むとお腹が下るのは、その水に溶けているミネラル分や不純物が、
日本の水に慣れている体に受け入れられないために、
強制排泄させられてしまうだけの事です。
 
当然個人差があって、藻が生えている水や泥水を飲んでも平気な人も
いるわけで、旅行慣れしているかどうかより、体質が左右するものだと
思います。(病原菌等は別ですが)
 
黒柳徹子さんにお話を聞いたことがありますが、ご存知の通り彼女は
ユニセフの親善大使としてかなり辺鄙な所へでかけます。
 
年齢的にも体質的にも不利な条件が揃っている彼女が、何故か旅先で
お腹を壊さないのは、実はとんでもない秘訣が有るのだと教えてくれました。
 
どんな国でも食あたりをしない方法は、
「食べない・飲まない、事。」
なんだそうです。

「ユニセフの大使という形で行ったら、式典や晩餐会などの歓迎会が
 ありませんか? その場で、精一杯のもてなしを受けたら口をつけない
 わけにいかないですよね?」

「そう。 だから、フリをするんです。
 私は女優ですから、フリするの巧いんですよ。
 たとえば、飲み物だったらストローの先を持って吸い、
 口の中に入る前に止め指でストローを潰して飲み物が落ちないように  
 したりと、工夫でなんとでもなるんですね。」
 
「はあ、そうなんですか。
 でも何も食べなかったら、辛くないですか?」

「でもね、スケジュールに余裕が無く、体調を崩すわけにいかなければ
 それも仕方がないんです。
 ある時は国賓扱いになる人間は、病気はできないんですね。
 だから、お腹がすく位の事でどうにかなるのなら、
 我慢してしまいます。」
 
「そうすると、スタッフの方々も同じ方法で乗り越えているのですか?」

「それが、違うのね。
 笑っちゃうんですけど、皆私が食べるかどうかを見ていて、
 口をつけている姿を見て、安心して食べちゃうんです。
 そうすると、やっぱり調子がおかしくなってしまうんです。」 

「スタッフも騙される演技をしているんですね・・・」
 
私は、殆ど外国で飲む水は、ミネラルウォーターか沸かしたお湯にして
いますが、暑い国に行って飲まず食わずで過ごす自信は無いですね。

暑い国に行く場合は、必ず500ccのボトルを持ち歩き、
現地の飲み物は冷たい物を避けるようにしています。
(カンビールや缶飲料はメーカーを選んで飲みますが、氷は厳禁。
 溶けたら生水ですからね)
 
横浜では水道から出てくる水が、すでにどれだけ安全かは解らなくなっています。
水道局では安全基準をクリアする水を供給してくれていたとしても、
使い古した水道管からマンションやビル等の貯水タンクに貯められ、
蛇口から出てくる時はたくさんの不純物を含んでいます。
 
それに、取水堰だって相模湖あたりと寒川あたりとじゃ、同じ水質の水道
とは言えないですよね。
昔ちょっとだけ住んでいた戸塚区あたりの水は美味しくなかったので、
どの川のどのあたりから取水するかによっても、
随分味に差が出るのでしょう。

現在、中華街や元町あたりで飲める水道水は一様に不味く、
飲食店は浄水器を使っている所が多いようです。
(これを使っていない店は、当然美味しい物が作れず、
 競争力を失っていくのでしょうから、
 使っていない店を探す方が大変なくらい。)

コンビニに行ってもミネラルウォーターは、
国産も輸入物もなんでもござれのラインナップ。
水を汲んでボトルに詰めるだけで、ガソリンより高く売れてしまう。

でも味が悪く、安全性も本当のところは解らない水道水を飲むよりは、
直接飲む水だけでも美味しいのを・・・とつい買ってしまいます。

石垣島から船で20分の小浜島は、西表島からひいた水道を使っていましたが、
島で食べた食事が美味しかったのは、水が美味しかったからでしょう。
美味しい水で炊いたご飯は、とても美味しいんです。

会社の先輩は、20リットル入りのタンクに活性炭を袋にいれて沈め、
汲み置きにした水を使っているとの事。
そうすれば、高いミネラルウォーターを買わなくても、
心安らかな食生活が過ごせるのだとか。

美味しい水を毎日飲むために努力する事は、
ひょっとしたら当然の事なのかも知れません。
蛇口を捻れば、美味しい水が出る事の方が希有な事かも知れません。
でも、日本という国は豊かな自然に恵まれた素晴らしい国だったはず。

それなのに、開発という名のもとに自然を破壊し、土地の値をつりあげ、
見せかけだけの経済大国になって、国際的にもバカにされながらも
無視できない存在になりました。
でも、それが豊かになったと言えるのでしょうか。

ハイオクの倍の値もする水を当たり前に買う社会は、
豊かな社会なんでしょうか。

                         by H

 
 
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