香港では、どれだけ部屋が冷えているかが、
金持ちのバロメーターなんだそうで、
外国人観光客が入るような高級店は
どこもキンキンにエアコンが効いています。
日本も最近そういう傾向があるようで、どの店もどのオフィスも、
エアコンの効く事・・・。
バイクを乗り続けているうちに、体の感覚の切り替えがおかしくなってきて、
普通の人がスウェットはもう着れない・・と思う位の気候までは、平気で
ジャンパーを着ていられるのに、ある温度を超えた時からTシャツだけしか
着れなくなる汗かき魔人になってしまいました。
自分が育った頃は、冷房なんて夢のまた夢。
車を手に入れた頃だって、エアコンつきの車両はまだ少なくて、
夏に窓を閉めている車は羨望の眼差しを受けていたものでした。
(パワーウィンドウのように手首だけ動かして窓を閉める技、練習したっけ)
思えばその頃の夏は、昼はともかく
夜は涼しくなっていたように記憶しています。
今は、家庭でもエアコンがあるのが当たり前で、
その分外気温は上がるばかり。
風が気持ちよく通るなら、エアコン無しでも我慢できますが、
如何せん不夜城の横浜、外気温は下がりませんから、どうしても頼って
しまいます。
そう当然私は、エアコンを効かした部屋に居るのが好きなのです。
ところが、女性にはこのエアコンが苦手な人が多いようで、
寝る時に喧嘩する事もかなりありました。
(エアコンの効いた部屋でも平気で寝られる人の方が圧倒的に少なかった)
どうも、女性の体質は一度冷えるとなかなか体温が上昇しないようで、
(筋肉が少なく発熱しにくいとか)それゆえ冷える事を嫌うようです。
だから、夏でも靴下を履いて寝た人も知っていますし、
こっちは暑くてゼイゼイいってる横で、布団にくるまっている人もいました。
そんな事を言っていると、相当部屋の温度が低いと想像されるでしょうが、
上には上がいるのです。
オフィスでは、スーツを着ていても汗をかかないような温度に設定され、
どうしても女性陣は寒いと文句を言うのですが、我が社の場合はちょっと
その事情が違います。
外気温が34度を超えるような日、その10度下の24度に合わせていると、
一日営業に回ると5本のタオルを汗でグチャグチャにするAさんには、
暖房が入っていると感じられるようなのです。
「暑い」を連発しても、誰も同情しないものですから、
彼は無言でエアコンを最低温度に設定してしまいます。
その上、窓際の換気型冷房機も内規循環に変更して
14度に設定しなおします。
デスクで仕事をしていてなんだか寒くなり(汗かき魔人の私が)、
ジャンパーを羽織って仕事をするころ、営業のAさんはすでに外廻りに出、
残された事務職員だけが凍えているのです。
「また、やられたよ〜」
と、皆で苦笑しながらエアコンの設定を直すのですが・・・。
寒い分には全然平気なタイプと暑い分には全然平気なタイプの人が、
同時に心地よく過ごせる環境って、どうすれば作れるのでしょう。
昼暑くても、夕方さっと夕立がきて、
爽やかな空気が涼しい風を運んでくれれば、ざっと一風呂浴びて
ビンが汗かくほどに冷えたビールをガラスのコップでぐいっと
一気のみする・・・・。
南部鉄か江戸切り子の風鈴でも下げて、蚊取り線香の匂いがする夕方。
そんな過ごし方ができたら良いな〜。
なかなかの贅沢な望みだよな〜。
と考えてみればそれは、30年も前には当たり前の風景だったのです。
これって結構贅沢な夏の夜、ですよね。
もう都会では望むべくもないのは、やっぱり残念な事です。
で、一人暮らしの今、
思いっきりエアコンをかけて寝ている私です。
by H
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