もう7回目を迎える飛天双○能。
本日は、その公演が宝生能楽堂にてあります。
気がついたら常連になってしまった私は、当然今日も水道橋に向かいます。
毎回、アトラクティブな演目をブッキングし、
あまり能になれていない人も楽しめる趣向がこらしてある、この会。
ケンタウロスの面々やライダー達と、いわゆる能会にいらっしゃらる紳士
淑女の方々が渾然となった会場は、一見の価値があるほど不思議な空間
だったりします。
横浜の飛天双○能とは違うノリがあり、
東京のスタイル(もう6回やっているのですから当たり前)が確立され、
観客も常連化が進んでいるようで毎回チケットを確保するのが難しい程。
能は、日本人としての教養として、その生の空気を感じてみたい、
と思っての参加だったのですが、テレビ等でみるものとちがい、
気が震えるような緊張感が溢れています。
ライダー達も常連化している人は、
きっとその緊張感を楽しむ事ができる人
なんだろうと思います。
毎回、仕事でつき合いのある表方(出演する人達の総称)か、
クリエーターをゲストとして連れていくのですが、
皆それなりにハマってしまうようです。
見る人の感触を気にするような質を、
大事にする仕事に関わっている人は、
そういう空気には敏感なのでしょう。
勿論、能自体はそのテンポが現代のスピードとはかなり違うので、
空気を感じられないテレビで見ると普通は眠くなるはずで、
それは当たり前の事だと思います。
ところがそんなつもりで出かけると、
およそ眠くなるような心地よさはなく、
謡いや囃子の音が体を揺さぶり、
シテの気迫がその動きと反比例するように
魂を直に揺さぶってくれるのです。
(それでも大将は寝てしまったりするのですが(笑))
「絶対寝ちゃうヨ」
とほざいているゲストに
「寝られるのならどうぞ」
とケンカを売っておくと、
その強烈な体験が余計に印象的となるようで、
能のファンがまた一人・・・と。
伝統や古典を知らないで、今の物だけを見て物事を判断する事は、
間違いだとはいいません。
ただ知っていた方が、自分の中ではものを見る目の幅が違ってくるような
気がするのです。
だから、こういう日本古来の物も、好んで見に行きます。
ある速度(人によって色々ですが)を越えて走っているとき、
妙な時間の流れに浸る事、ないですか?
私にとっては、あの感じに近いものが、飛天双○能にあります。
さあ、でかけよう。 by H
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