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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

餃子

今でこそ、中華街でどこでも食べられるようになってきた餃子。
これは北京料理で、昔は中華街では殆ど食べられないものだったのです。
 
横浜中華街はその歴史から広東料理店がメインで、
その他に北京・四川・上海・台湾料理店などがありますが、数的にはやっぱり広東系
が現在でも多いようです。

中国より渡ってきた人達が、それぞれの故郷の料理を作っているのでしょうが、
台湾から渡った人達と中国本土から渡った人達がそれぞれ組合を作って、共存してきました。
最近は、2世から3世・4世へと世代交代し、2つあった組合も今は一緒に中華街の
街づくりに協力しています。
 
テレビで有名になった 周 富徳 氏は、聘珍樓(広東料理)の総料理長をしていた
方で、取材の時には色々お世話になりました。
その彼から、教えていただいた事は、
現在の中華街で出している料理は、中華風日本料理だという事。
それほど、日本人向けに味をアレンジして、油を押さえて、材料も日本ならではの物を
積極的に使っているのだそうです。

確かに香港へ行くと、素材や香辛料、油から一品あたりの量まで違うのです。
例えば鶏肉と言っても、数種類の鶏の他に家鴨や鵞鳥、
鳩にいたるまで何でも選べる国と、
地鶏とブロイラー、よくて軍鶏くらいしか選べない国では、
違って当たり前ですね。
 
貧乏な人は外食し、裕福な人は家で料理人に食事を作らせる事が、
常識として存在している国では、
外で食べる食事は安くて美味しいという、
ありがたい状況も産みだしてくれます。

日本より高い住宅事情では、家に広いキッチンスペースを望む事すら贅沢な事、
新鮮で美味しい材料が毎日市場に溢れているのなら、
冷蔵庫すら無駄に感じられる事は、
少しだけ想像がつきました。

日本の中華街は、さすがにそこまではいってなく、ランチで500円くらいが一番安い
部類ですから、客単価は香港と比べると5倍から違います。
やっぱり全部外食で賄える国ではないんですね、日本は。

もちろん外食の単価として考えると、安い部類に属する中華街は、
当然顧客である日本人の強い要望を聞き入れるまでには、それなりに時間がかかりました。
(媚びなくても、安さと旨さにつられて客はやってくる、と考えたのでしょう。
 伝統的な料理だけを作っていれば美味しいし、オリジナリティも当然あるのですから)

ある有名な料理店でそこの給仕係のおばちゃんにきいたところ、

「頼むもの、皆決まってるネ。
 チャーシュー・エビチリ・スブタ・チャーハン。
 そういう味のわかんない観光客には、一人3000円のコースすすめちゃうヨ。
 食べきれないけどね。 ワッハッハ。」

そう、常連は人数や趣味趣向を考えて、メニューに無いけど何処でも作れる定番料理を
そういうオバチャン達と相談しながら頼むものなのです。
料理を残さないように頼むのは結構年季が必要です。
(店によって一人前の量がかなり違ったりしますので、難しいのです。)

でも、あまりに料理を知らない客が多く、決まって出るオーダーが存在すれば、
そこは商売上手の中国人。
伝統は大切にしつつ、柔軟な対応もするように・・・。
(2世はともかく3世や4世となってくれば、もう日本人と変わらない味覚も
 持っていますから、当然といえば当然でしょうね)

ラーメンや餃子をかなりの店で出してくれるようになった事は、
ようやく横浜中華街が、日本的中華料理の形を形成しはじめた事、なのかも知れません。
 
それでも私は、餃子は北京料理店で食べ、飲茶は広東系のお店で楽しむ事にしていす。
伝統を守っているお店の自慢料理は、美味しいに決まってますからね。

 
ところで、ケンタウロスに遊びにいらっしゃった方は、
お土産に餃子の皮を買われてみてはいかがでしょうか。

中華街の製麺所で売っている餃子の皮は、イタリア料理で言うところのラザニアみたい
なもので、それ自体が主食としての役割を果たす物。
業務用と書かれている肉厚の皮を選べば、もっちりとした歯触りと食べ応えを約束してくれます。
スープを炊いた鍋に放り込んで茹でるのもよし、焼いてもよし、揚げてもよし・・と。

横着者には、焼く前の餃子を店から買うという荒技も・・・。
(私がよく行く蓬莱閣(北京料理店)では、週末以外は予約無しでも売ってくれます)
ただその日に作るものなので、日持ちしない事が欠点といえば欠点ですか。

餃子は、食べる人間皆で餡を詰めるところからやると、結構楽しいもの。
餃子の包み方も性格がよく出るもので、人の出来を見ながらワイワイやってください。
わざと、豆板醤の固まりを入れた「当たり」餃子を作って、誰がそれに当たるか?
なんて闇鍋的楽しみ方も、盛り上がります。
 
焼き方のコツは、差し水を煮立てておく事。

私は油を引いたフライパンに餃子を並べたら、浸るくらいに熱湯を入れ蓋をして、
皮が茹であがるまで煮てしまいます。
皮が茹で上がったらお湯を捨て、餃子の上から油をかけそのまま蓋をして焼きます。
焼き色が綺麗についたら出上がり。

焼いた後に水を入れ水分を飛ばすまで焼くやり方は、
薄い皮だったらいいのかもしれませんが、厚い皮の場合は巧く焼けないようです。

焼くのが難しいと思う人は、鍋にお湯を沸かして茹でるだけでもいいのです。
(イタリア料理だったらラビオリってところですか)
皮だけを数枚並べておおきな円を作り、チーズをのせてピザ風に焼いてしまうのも
意外に旨い!(春巻きの皮の方が良いという人もいますが)

ああ、書いているうちに餃子食べたくなってきた。
帰りに買っていこうかな・・・。


                            by H

 
 
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