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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

真打ち

ちょっと前ですが、知り合いの落語家が真打ちに昇進しました。

真打ちとは、落語家のランクとして有名だとは思いますが、
どうすれば昇進できるか・・・、みたいな事はあまりよく知りません。
で、披露公演があるというので行って来ました。
 
浅草演芸場は、東京の下町にある大衆娯楽施設といった感のある所。
朝から夕方まで、そこに座っていれば手を変え品を変えて
楽しませてくれます。

落語・漫談・紙切り・マジック等・・・。

ぼーーっと、見ていると、テレビでは味わえない空気がそこにあって、
コミュニケーションがある話術の妙をたっぷり味わいました。

マスコミはやっぱり一方的な情報提供しかできない事も、再確認しながら・・・。

そんな中、彼の真打ち昇進報告会がありました。

流派の長、師匠、兄弟子などが彼の両脇に控え、次々に口上を述べます。
これも、伝統なんだな・・・と感心していると、長の言葉の中にちょっと
心惹かれる言葉がありました。

「真打ちには、寄席でトリ(一番最後に出演し、寄席をしめる立場)を
 とれる能力、認知度、人格があると、皆様をはじめ各演芸場が
 認めた場合に昇進できるものなのです。
 これは、いわば運転免許証のようなもの。
 能力があると認められた証拠であって、
 必ずトリが勤められる事ではないのです。
 事実、真打ちになって本日のように昇進披露でトリを勤めた後、
 2度とトリをとれない人もいるのです。
 これから、彼はますます精進し、いつしか寄席でトリを指名されるよう
 日々努力してゆきます・・・・・・・」
 
真打ちとは、ランクではなく免許証であったか・・と、
初めて知りました。

2輪の免許を取ったからといって、上手く走れるわけじゃない。
あの、難関だった時代に大型を取ったとしても、
事故を起こさないわけじゃないのです。

技術の習得にはゴールは無い。
それは、日々自分が変化しているから。

人は年をとる事で、心も体の変化していきますから、
染みついてしまった技術を日々シンクロさせるべく調整しなくては
いけないのでしょう。

だから、いつもバイクに乗る時は、新鮮に感じられるような気がします。


真打ちとなった彼から手紙がきました。
「7月上席昼の部で主任(トリ)にて相勤めます」
とありました。
よかったね、鈴木君。
                    by H

 
 
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