20年も前の事。
そのころの足は、ハスラー125でした。
行っていた学校が丹沢の麓だったので、休講になると山まで一走り。
だから、バイクはハスラー90から125、バンバン90を挟んで400と正常進化
していくのですが、ダートの面白さを教えてくれたのがこの125でした。
当時は、舗装がまだきっちりできていない道が多く、オフ車は必需品。
コーナー曲がれば、鹿の一家に出くわすとか、
とぐろ巻いた蛇を踏んずけたりとか・・、そんな事が当たり前の環境。
そこで、覚えたライディングスタイルが今の基本になっているのは、
当然といえば当然でしょうか。
少しバイクに慣れてきて、2台目を持つころになると、
腕に妙な自信がついてくるもの。
オフ車なんだから、どこでも行けるはず、という訳のわからない妙な思いこみだけで、
無謀な事をする事する事。
でも、バイトして買ったバイクは、本当にそのころの私の「どこでもドア」でした。
軽いから、滑ってもカウンターが切れる。
オフ用タイヤだから、どこでもソコソコ行ける。
遊歩道を走って丸木橋を渡るはめになったり、
砂浜走って地引き網にかかったり・・・。
でも、調子にのって相模川を越えようとして、エライ目に・・・。
川渡りは、バイクならずとも、オフロード好きは一度はやりたくなるもの。
四駆で川に突っ込んで、途中で動けなくなるなんて事、よくある事ですよね。
妙な自信だけで、あらゆる道をどうにか運だけで切り抜けてきた私が、
相模川上流に挑んだのは当然の事でした。
水深だけは一応確認し、コースを決めて中洲目指してハスラーを走らす。
同じような石がごろごろしている岸とは全く違う川底。
川の中では、水圧の抵抗とつるつるに滑るコケと、
そして上がらないスピードのおかげで回転が上がらないエンジンの非力さ・・。
クラッチ切ったら、コケそうだし・・・。
でも、ここでバイクを止めても、どうにもならない・・。
Uターンなんて夢のまた夢。
倒したらキャブが水吸って壊れる・・・。
しかも、思ったより水深があるし・・。
深くなればなるほど、スピードが鈍る。
そう、私は川の途中でパニックを起こしたのです。
飛び降りました。
滑って膝をついた私の上にハスラーが・・。
初めてキルスイッチを使いました。
エンジンが止まっていれば、最悪水を吸ったままエンジンが回る事もない。
それだけしか頭に無かった私は、
しばらく川に正座したまま腕と背中でバイクを支えて固まったままでいました。
助けてくれたのは、川岸でバーベキューをしていた四駆乗り。
「ウインチを使いたかった」と言ってはくれましたが・・・・・・。
それ以来、川にバイクを向ける事はありません。
by H
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