梅雨の合間、気持ちの良い天気の日があると、今日は絶対バイクに乗ってやると
思うのですが、そんな日に限って乗れない都合が発生したりするのです。
その日、家に帰りとっとと飯を食い酒を飲み、
早めに寝てしまおうと布団に入ったのに、寝付けない・・・・。
「乗っちゃうかな・・・。」
と独り言。
寝間着に着ていたTシャツの上にジャンパーを羽織り、ヘルメットを掴んで外へ出ます。
空には靄がかかったような半月が浮かんでいて・・・・。
ウオームアップは密やかに・・・
でも心はどんどん浮かれていくのです。
時刻は11時30分、随分早く寝ようと思ったものだと、
少し呆れながら静かに住宅地を抜けていきます。
その時間にしては珍しく道がガラガラ。
さっきまで寝ていたという事もあって、気持ちと体のズレが運転にもろに反映されて
しまうのですが、そんな事関係無いくらいの独占状態。
(なんだか、とても下手な運転になっているのです。気持ちとはうらはらに。)
青木橋を渡り、一国(第一京浜国道)を上り、生麦から大黒埠頭へ。
首都高と並列して架けられた橋を通ると、右に横浜港左に京浜運河と
空に舞い上がっていくような気持ちになれます。
邪魔してくれるのは、無粋な赤灯をまわすツートンカラー車くらいのもので、
(背中の看板に一言言いたくなる気持ちも、解らないではないですが)
閉鎖された海辺の公園には入れなくても、
ベイブリッジのブルーのライトアップを
そこに止めたバイクの上からボーっと眺めている・・・。
水銀灯のちょっとカラーバランスの悪い街路灯が作り出す、夜の世界。
一人きりでいられる事の自由さ・・・。
結構こんな簡単な事でも、浸れるものなんです。
せっかくここまで来たのだから、
ベイブリッジを渡ってクラブハウスに顔出そうと思い、
グルグル回る流入路を気持ちよく加速してベイブリッジに入ってみれば、
ブルーに染まった橋柱が目の前に高くそびえている。
今日はなんだか、気持ちいいと悦に入って加速をすれば、
メーター振り切るあたりでリミッターがかかる・・・。
何で?アレッ?
悩んでいるうちにベイブリッジを渡ってしまいました。
(ギアがトップに入っていなかった・・・・って事に気がつかないほど、
気持ち良かったんです。)
山下町の出口に向かう前の右コーナーは、遠くランドマークタワーまで見える
景色の大好きなコーナーなのですが、バイクではどうしても横方向の景色は
楽しむ余裕が無い事もあって、浸れないまま出口へ・・・・。
集団になって、夜な夜な街を流す楽しさを否定するわけではありませんが、
私の感覚的には、やはり深夜のショートライディングはシングルが好きですね。
クラブハウスで、大将に挨拶して少し休んで、帰る。
家にたどり着いたら、そのまんまぐっすり眠れました。
バイク中毒、ですかね・・・。
by H
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