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Malt Crazy
道楽もほどほどに
日記的雑感
 
 

魔の誘惑

精神的にまいってくると何故か、
してはいけないと思う事をしたくなりませんか?

私の場合、無性に前の車に追突したくなったり、
明らかに曲がれないスピードでコーナーに入りたくなるのです。
個人的には「魔の誘惑」と勝手に名づけています。
どうしてそう思うのかわかりませんが・・・。

ここ数年そんな感覚を持つ事を忘れていたのですが、
久々にそんな誘惑を受けてしまいました。

時刻にすれば真夜中、第3京浜を120マイルで流し、
そのまま首都高に乗ろうとしたとき、それはやってきました。

第3京浜の出口から横羽線へは太い車線の直線の後に、
緩いS字コーナーがあり、そのままトンネルに入ると料金所です。
100マイルも出ていればトンネルに入るあたりまでのコーナーは
ちょっとスリルがあって(先が見えない・詰まっている)
楽しんじゃうところなのです。

500円硬貨を渡し、全開で走り出した時、偶然にも前に邪魔するものはなく、
トンネルのストレート(下り)をそれは気持ちよく加速していけたのですが・・・

闇の中に吸い込まれるように、
先が見えない緩やかな左コーナーを抜けると、
前には二股の直角コーナーが見えました。

 どこか、行ってはいけない所に向かって、斜面を滑り出してしまったように走っているとき、
 心を何か大きな手で後ろから掴まれ、振り切ろうとするスピードと反作用的に
 自分からそれをもぎ取ろうとする、そんな錯覚が私を支配します。
 
そして気がついたら、全開のまま横浜駅東口のランプに飛び込もうとしていました。
 
そのままいけば、まずただでは済まないとわかっているのに、
怯えた心が体を凍らせて、コーナーに吸い込まれそうになるのです。
しかも、それは魅惑的な感覚を与え続けながら・・・・・。

自分の中に、「死んでしまいたい」という感情があったのかもしれません。
以前は、とても疲れていたり、とても苦しかったりする時、
そんな状態に陥る事ありました。

確かに、その日は前の日から寝ていませんでした。
でも体力的に辛かったわけではありません。
精神的には、辛い事はあったのですが、
現実逃避を考えても時間の無駄。
まして、後先考えない無責任な逃避行動は、自分の生き方として耐えられないほど、
醜いと思うのですから、何故そんな行動をとりたくなるのか解らないのです。

人は、どうしても責任を背負って生きなくてはなりません。
(何も無いと思う人だって、自分に対する責任は、無意識に持っているもの)
それを、一時的に忘れたくて、色々な事をするのでしょう。

でも、生きている以上、ついてまわるものですから、
それを一瞬忘れるために、死を見つめたくなるのでしょうか。
だから、死に近い乗り物である(死の存在自体なのかも)
バイクが好きなんでしょうね。

 事故が寄ってくる時は慌てて逃げるくせに、
 こちらから死を求めてしまう時もある。
 矛盾していますが、どちらも私なんでしょう。

今日は(昨日も)徹夜明けで、シャワーだけ浴びて、仕事をしています。
誘惑に勝てる自信もないので、帰宅は徒歩にしようと思っています。
 

                     by H

 
 
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