ちょっと前に、訳あってポートレイトを撮るはめになりました。
私は、他人を描写する仕事にも携わっていることもあって、
撮影する事は抵抗無いのですが、自分が撮られる事は初めての事。
案の定撮影にかなり時間がかかってしまいました。
その時感じた事は、自分が他人を取材する時に取材対象に対する気配りが
薄かったかな・・と、いう事。
しっかり、反省させられてしまいました。
その写真を昨日受け取りました。
バイク歴21年の自分は、気持ちだけ変わらずに姿はしっかり年輪を重ね、
自分の姿を見ながら考える事、多々。
ただ、感じた事は、
写真の良さ。
アメリカ人がよく机の上や自宅に、自分や家族の写真を飾るのが、
単なる文化の違いだと今までずうっと思っていたのですが、
あらためてちゃんと写真を撮ると、結構良いのです。
(今だって、旅先へ行った時は、風景の中に自分を入れて記念撮影し、それを
会社の机の上に飾っているのですが、質が違います。)
今回は、モノクロで撮影した(しかもスタジオで)のですが、
現在のデジタル画像ではまだまだ表現できない存在感が、
(たとえば影の中にあるかすかに見える存在の表現力)
しっかり出ています。
しかも、自分がある意味で勝負をかけるスタイルでポートレートを撮る事、
それは旅先でバイクとともに写るスナップとは全然違う重さを感じさせてくれます。
家族で撮るポートレイトも良いですが、ライダー姿で撮るポートレイトも、
その時の自分を記録する事として、また再発見する事として、
色々な力を与えてくれものでした。
21年もバイクに乗っていると、知り合いがバイクを降りたり、死んでしまったり、
自分も何ヶ月も会社に行けないような事故を起こしたりと、忘れられない事が
どんどんたまっていきます。
そして、それでも乗らずにはいられない自分の姿は、
生き残り(死に損ない?)の証として、
自分の力だけで偶然の未必の敵意をかわしてきたその経験を、
言葉以外の方法で表現してくれます。
だから、ライダー姿のポートレイト、おすすめいたします。
(自分の写真が部屋にあると、ちょっと照れるけどネ)
by H
|